一昨日(【歳末号外②】『最後のジェダイ』をグラフで読み解く )、
昨日(『最後のジェダイ』支持率トラップ【歳末号外③】 )と
2日連続で、
『スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ』を分析してきたが、
具体的な劇中展開を取り沙汰せずに、
もっぱら周辺製作事情を探って、
ネタバレを避けてきた。
2日目に出て来た、
『ローグ・ワン』ショック
について詳解しなかったのは、
●すでにこのブログの各所に書いてきたこと
●記事がダラダラ長文になるのを避けるため
だったが、
【歳末号外】で処理する予定のウルトラマン記事が、
本日の定期更新に間に合わないため、
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今回は、
ひたすら『ローグ・ワン』ショックに話題を絞ります。
青天の霹靂(へきれき)=out of the blueで、
『エピソード7』以降のスター・ウォーズ・サーガを継承することになった
自身が監督ではなく、映画プロデューサーだけに、
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新作SWが興行的に成功すること、
つまりヒットするかどうかだけが主眼だった。
だから『フォースの覚醒』の内容云々(うんぬん)の評価はどうでもよく、
ヒットさえしてくれれば成功作と割り切っていた。
同時にディズニーの情報戦略で、
絶対に失敗できない作品は、
プロ評論家に報酬を払い、
トマトメーターの支持率を意図的に不正操作し(!)、
「ヒット作はプロの評価も高い」という幻想を押しつけた。
このキャスリーン・ケネディの理想的な展開、
『フォースの覚醒』はアリ=全肯定。
という大前提は、
公開のたった1年後に突き崩され、
それは『ローグ・ワン』の公開だった。
この映画は『フォースの覚醒』をあからさまに見下し、
「いや、そんなのないから」と全否定していた。
ギャレス・エドワーズ監督の納品ぶんを見たケネディは、
このシニカルな内部造反作に大激怒。
欠陥品・不良品あつかいで、
トニー・ギルロイなどの自分の手の者を総動員して、
派手な見せ場を追加撮影。
どうにかプロデューサーとしての体面を保った。
トマトメーターの不正操作も続けたが、
ただし評価は85%で、『フォースの覚醒』の93%より低くした。
それでも『ローグ・ワン』は、
ケネディにとっても衝撃作で、
どうにか手直しが間に合ったからいいものの、
あんな綱渡りは2度とゴメン。
しかしこの調子だと、
次期SW新作群も自分に牙をむきかねないと、
2018年6月公開予定の、
『フォースの覚醒』よりも『ローグ・ワン』(=『フォースの覚醒』否定派)
と言ってケネディの逆鱗(げきりん)に触れ、降板させられた。
でもって、『フォースの覚醒』を自ら監督したから、アリに決まってる
JJエイブラムスに交代した。
そして『最後のジェダイ』の監督ライアン・ジョンソンに、
「新三部作(※『エピソード10・11・12』とは限らない)の監督も」と発表されたのは、
『最後のジェダイ』が一般観客から酷評される、
公開よりも前だった。
公開後に発表しなかったってことは、
ケネディだって『最後のジェダイ』は失敗作だとわかってたんじゃん!
なのにどうして、その監督を厚遇するの?????
キャスリーン・ケネディがライアン・ジョンソンを買っている理由はただ一つ。
では一般客はどうして、
『ローグ・ワン』を肯定し、
それ以降のSW新作への評価がキビシイ(=『最後のジェダイ』の否定)のか?
それは、1作目(1977/日本公開1978)から
40年も経過すれば、
2017年の人間は40年ぶん、進歩、成長するからで、
常に新規客の開拓ばかりに気を取られてる商売人には、
さしずめオープニング詐欺とでもいうべき、
“A long time ago....”
の静寂直後、
お約束の華々しい音楽で飾り立てられたオープニングが一番盛り上がり、
エンドクレジットでドッチラケ(死語)を、
①『エピソード1 ファントム・メナス』(1999:初回鑑賞ロス)
②『エピソード2 クローンの攻撃』(2002:初回鑑賞サンフランシスコ)
③『エピソード3 シスの復讐』(2005:初回鑑賞ロス)
と、ノリのいいはずの本場アメリカで3度経験した身としては、
2015年に『フォースの覚醒』の初回を完全な都落ちの三郷で静かに迎えた時も、
最新の先週土曜に『最後のジェダイ』を千葉成田で迎えた時も、
「イヤな予感がした」とおり、
エンディングでは「だめだこりゃ。こんなのSWじゃねえし!」
のガッカリ感。
一方で、もはやパロディやギャグでしかない、
お約束のオープニングパターンをあえて崩した『ローグ・ワン』だけは、
エンディングクレジットに、大大満足、拍手を惜しまず、
「これぞまさしくSW!」だった。
つまり「もうだまされないぞ」と気がついた進歩、成長組が、
幼児退行で、純正お子様向けのSWなんかに、
ケネディの思惑通り、無邪気に狂喜乱舞してくれるわけないんである。
映画のキャラは実在の人物を投影していることが多く、
スノークは
キャスリーン・ケネディの似姿なのだとしたら、
問題の解決策はただひとつ、
KKK
すなわち“Kill Kathleen Kennedy.”
かも知れませんわよ。