『ローグ・ワン』IMAX 3D(2016) | アディクトリポート

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『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
IMAX 3D

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成田HUMAXシネマ F-20

※ネタバレはありませんが、
先入観を与えないため、
鑑賞後に読むことをオススメします。
今回使用した『ローグ・ワン』関連画像は、
予告編にはあっても、本編には見あたりませんでした。


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ビッッックリ!
初めて、映画としてまともなSWを観ました。


こんな時が訪れようとは!

実を言うと、SWに心から満足したのは、
『帝国の逆襲』(1980)だけで、
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最初の『スター・ウォーズ』(1977)
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そう、まだ「エピソード4 新たなる希望」なんて副題がつく何年も前、
17歳の高2で初めてテアトル東京で観た時も、
「1年以上待たされて、結局こんなもん?」
いういうい
↑宣材写真でさんざん目にした、この大トカゲ。
映画本編では大映しにならず。

「頑張ってるのはわかるけど、あちこち安普請やすぶしんだなあ」
が本音だった。
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↑これって絶対、映画のセットじゃなくて、どこかの施設を借りただけだよな。と思ってたら、ホントにそうだった。しかも『ジェダイ』でも使い回した。

次の『帝国の逆襲』だけは満足至極。
話の途中で始まり、続きで終わる大胆さ。
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映画のどこを切り取っても、豪華な雰囲気満点。

それだけに、
3年後の『ジェダイの復讐』(当時邦題・1983)に、どれだけ期待し、
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どれだけ裏切られたか。

昨2015年末か、今年2016年のはじめ、
『フォースの覚醒』公開に併せ、
日テレ深夜で、『帝国』『ジェダイ』の深夜連続放送があった。

『帝国』終盤でCMが入り、
「あれ?」と思ったが、
画面が丸く閉じると、CMをまたがずに『ジェダイ』のオープニングに繋がった。

一連ひとつらなりの物語として見せる工夫だったわけだが、
『ジェダイ』でヒーロー一行がイウォーク村に運ばれるあたりから、
話の横筋への逸脱ぶりがきわまっていき、
「本筋はどうした?」
と、初回鑑賞以来、32年ぶりに、
戸惑う感覚に陥った。

それ以来、
SWの新作が期待を上回ることは二度となくなり、
どうも自分が求めるSWの理想形は、
作り手の考えるそれでもなければ、
ファンの考えるそれでもなさそうな気がしてきて、
ということはつまり、
自分の判断基準の方がおかしいということなのかと、
思い込むようになった。

なにしろ新三部作は、
ジョージ・ルーカス自身が
「これだ」と思うSWだったから。

それがウケなかったということで、
『フォースの覚醒』は路線変更。
ファンサービスに徹することになった。
マーケティング的に、
「ファンはこういうSWが見たいんだろ」と予想する要素を並べて、
強引につなげたシロモノ。

ファンと言う言葉は、良い意味で使われたためしがない。

ファンサービスとは、ファンへの媚び売りである。
ファンボーイとは、オタクと訳すこともある。

SWはふだん映画を見ない人も魅了した特異な作品だが、
それだけに映画としてはいびつでも、
「あばたもえくぼ」で許される面も多々あり、
愛着のわく作品だけに、ファンは自分なりの偏愛の独自性を示さんと、
かなりいびつな執着を自慢する傾向もある。

「そこじゃないんだけどなあ」
「映画としてまともなSWを、期待しちゃいかんのか?」
そう考えていたはずなのに、
いつまでたっても、その路線のSWがやってこない。

「どうせ今回も…」とあきらめて、
それでも鑑賞可能な一番早い、
午前9時20分の回のために、
家を6時半に出て間に合った、
関東では一番まともなIMAX館。

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そこに待ち受けていたSW新作は、
意外や、
自分が夾雑物と考えて、
「それは別にいらないんだけど」
と言う要素が一切排除されていた、映画として相当にまとも、
その代わり、寓話的なファンタジー性のみじんもない、
ハードなSWの塊だった。

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上映中に何度も声を上げ、
最後のカットで「すげー!」と叫び、
エンディングで一人拍手を惜しみませんでした。

勝因は脚本で、
さらに元をたどれば、
ストーリーのジョン・ノールに行き着く。

ノールはボンクラに居座られ、かつての才能の梁山泊から、
腐敗と堕落の温床に変わり果てたILMに、
ただ一人残る才人。

C3(セレブレーション3)の質疑応答で、
ファンが、
「なんで『ジェダイ』の最後のアナキンを、老人(セバスチャン・ショウ)から、青年(ヘイデン・クリステンセン)に置き換えた」
と、近年のルーカスフィルムの誤選択に不満タラタラ。
一体誰の仕業なんだと、
つるし上げの険悪な雰囲気が高まると、
「ボクにだって自分なりの、ここをこう直したいリストはあるけど、今回はジョージのリストに従っただけ」
というコメントで場内大爆笑。
険悪な雰囲気は一掃され、
その場は収まった。

つまり『ローグ・ワン』は、
ノールが考える理想のSWであり、
それは私の理想形とピッタリ重なり、さらにその上を示してくれた。

文句なしの100点満点です!

みおに
マイケル・ジアッキーノの音楽も見事でしたよ!