前回、
ひおあきら氏は、
「新戦艦大和」と「宇宙戦艦ヤマト」の両方を描いた、
ただ一人のプロのマンガ家
としたが、
実はもう一人いたのではないか、と言う話。
「新大和」復刊は、なかなかの着想、
「それは思いつかなかった!」
と感心しきりだが、
この企画は今年2016年まで影も形もなく、
50年以上前の幻の作品が復刊するとは、
誰も思わなかった。
そこでどうやら松本零士は、
「宇宙戦艦ヤマト」を自作群、
すなわち、
「銀河鉄道999」「キャプテンハーロック」「クイーンエメラルダス」
と統合しようと考えていた2000年前後に、
ついでに「新戦艦大和」も取り込もうとしていたフシが見受けられる。
1996年から再開された「銀河鉄道999」(エターナル編)で、ヤマト、アルカディア号と共に停泊するまほろば。
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それが、
「超時空戦艦まほろば」(1993〜1998)で、
作品中の設定では大和型戦艦の4番艦とされ、
外観もほぼ、第二次大戦中の戦艦大和を模していた。
これぞまさしく、松本零士版
「新戦艦大和」といえるのではないか。
と言うのも、当時の松本氏は、
「同年輩の仲間=マンガ家が
次々と鬼籍に入る中、
残された(遺された)者が頑張らねば」
的な主旨の発言をしており、
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「ヤマト」も含め、このままでは自然消滅、忘れ去られかねないと危惧し、
改めて自作の一篇として取り込むことで、
貴重な文化遺産を保存しようという試みだったのかも知れない。
ちなみに梶原一騎は、 1987年1月21日没。
もしそうだったなら、
なかなか崇高な
プロットやストーリーはパクらず、
完全オリジナルだった点は評価できる。
しかしいかんせん最盛期に、
同時進行の連載期間をまっとうすれば、
作家の務めは果たしたと開き直り、
ことごとく未完で済ませて来た弊害で、
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「まほろば」のストーリーは、
ちっとも要領を得ず、
さっぱり前進せずに、
またしても未完に終わった。
第二次大戦をひそかに生き延びたまほろばは、
現代(1990年代)に合わせた超近代的改装がなされ、
「新・宇宙戦艦ヤマト」(2000)客演時には、
バリバリの宇宙戦艦に変貌していた。
この時期の松本メカの代表図案は、
小泉和明プロダクションが手がけていた。
当然、まほろばも同プロによる。
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まほろばは、2004年のOVA、
「大YAMATO零号」にも登場。
※詳しくは知りません。
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さらに2011年12月には、
アニメ化もアナウンスされたが、
幾多の松本零士プロジェクト同様に企画は宙に浮いたまま、
はやくも5年が過ぎ去ろうとしている。
最後に見かけたまほろばは、やたらとくびれが強調され、
もはや(新)戦艦大和の面影は、みじんもなくなっている。
近年は板橋克己氏が、
全ての松本メカの整理再統合を進めている。
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というわけで、
松本零士本人がひそかに進めたヤマト/大和統合計画は、
何人かの絵描きの手を経て、
すっかり原形をとどめなくなり、
誰にも悟られずに、今日に至ったというわけ。
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