連番としては、これ(訂正記事だョ! 全員集合〈その7〉/蒼きヤマトへの憧憬・57)の続きだが、
それは飛び込み記事だったので、
実質的には、こちら(船舶設計図面を手がけた2人/蒼きヤマトへの憧憬・56)の続き。
ただし、またまた
次回は、この図面を元にした立体製品について。
というわけにはいかず、
図面がらみで、もうワンクッション置く必要がある。
豪華本および、その廉価版「設定 資料版」には、
↓この図面に添えて、
次のような記述がある。
*この図面から換算する第一艦橋の寸法は、奥行き5m、幅7.6m、高さ2.6mで、
劇中の広大な空間表現は広大すぎ、
↓おそらく横幅10m程度と思われる、劇中の第一艦橋。大判画像はこちら。
「倍寸効果」という触れ込みで、約20×20×7mで描かれた設定画。
これはブラスタルゴ氏が清書し直したもの。
*また、艦載機の設定全長(コスモゼロ17.4×8.2×5.8m)や格納庫のスペースからすると、実際にはせいぜい10機以下しか格納できない。
したがって、劇中のヤマトを再現するには、設定全長の倍の530mは必要な計算
----とされ、あたかも
アニメ用設定のデザインワークに不備があった
ようなニュアンスだった。
しかし事実はまったく正反対で、
ヤマトは当初、
545~550m設定でデザイン作業が完了し、
全長265.8m/全幅34.6m/全高77.0mというのは、
あえてその初期設定を破棄したために、結果としてヤマトが「小さすぎる」ことになった、
というのが真相。
ということは、ざっとこの記事で書いたが、
もう少しわかりやすく、あらためて説明したい。
自分も含め、誰もが書籍などの記述を頼りに、あれこれ見解や分析を展開し続けた中で、地道に実証を試みたのが、またしてもの
X-VANISHの、ブラスタルゴ氏。
↓ごく初期のアニメ用設定資料で、寸法表示があるものを基準に、
↑その寸法が実際の内部図解にあてはまるかを、
方眼紙に重ね合わせて検証!
するとぴったり辻褄が合い、
全長約545m・張り出し部を含まない艦体幅約64m・第三艦橋から艦長室頭頂までの全高約145m、という数値が導き出される…そうである。
この初期設定どおりの大きさで描かれた各部設定は、
*第一艦橋
*第二艦橋
*波動砲内部シリンダー
*波動エンジン
*主砲塔内部
*武器コンピューター室
*中央大作戦室
全長545~550メートルでは収まらず、さらに大きく描かれたのは、
*上部戦闘機格納庫(艦載機サイズとの兼ね合い)
*側方展望室
545~550メートルサイズと、265メートルサイズの間の大きさで描かれたもの。
*艦長室
*下部大型機格納庫(艦載機サイズとの兼ね合い)
265メートルサイズで描かれたもの
*第三艦橋
----と、一様でないのが、また実像をわかりにくくしたようだ。
原文と原図はこちらで。
※このブログ記事は受け売りなので誤読の可能性もあり、あくまでも参考程度に。
↓550メートル級(上)と、265メートル級(下)の比較。
こうなると、現在テレビ最新作「安堂ロイド」で、
視聴率一ケタ街道まっしぐら(①19.2%②15.2%③13.2%④10.2%⑤11.5%)の、
キムタクが主演した実写版「Space Battleship ヤマト」の、
全長534.02m・全高154.33m・全幅93.62mというのは、
実はヤマトの初期構想、
全長約545m・全高約150m・全幅約100.5mに、最も忠実だったということになる。
実写版は話の方がアレだっただけに、なんとも皮肉な感じがする。
次回こそ、船舶図面の立体例。