まるで「ルパン三世」のような「平成ウルトラセブン」について、単純に全16タイトルを列挙するだけで終わってしまった。
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だが、これまたルパン三世のテレビスペシャルでやったように、
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「平成セブン」各話のレビューを、このブログでコツコツやるのかといえば、それはない。
なぜなら、
1本も見ていないから(笑)。
一応、ここに、さわりだけ。
そうなんです。
平成セブンの目印は、主題歌を、ささきいさお(佐々木功)が歌っていることなのです。
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それでもこの路線、
すなわち、
*ウルトラセブンだけは、
他のウルトラマンとは
別世界で別展開の独立独歩
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というコンセプトを貫き通したのは、結果的に大成功だったといえるだろう。
たとえ
*製作年度が大きく開き、
*テレビ放映もないビデオスルーになり、
*製作予算も少なく、昨今は主流のCG映像も最小限
等の制限があったにせよ、
*年を追うごとに本数が増し、
1994年 2タイトル
1998年 3タイトル
1999年 6タイトル
*これで終わりかと思っても、また継続された
2002年 5タイトル
----ことからも、それがわかる。
内容の充実ぶりと作品としての成功は、最初の「太陽エネルギー作戦」と、最後の「EVOLUTION」だけを見た人のレビューからも、読み取れる。
一番の評価ポイントは、
「こんなの、ウルトラセブンじゃねえよ!」
という否定意見が、どこからも聞かれなかったことだ。
たとえ社内(円谷プロやテレビ局)が、「ウルトラセブン」の独自性、
すなわち、
*他のウルトラマンとは別展開
*子供向けでない、本格SFドラマ
*単純な勧善懲悪の図式を脱する
を忘れていようとも、
しぶといファンやマニアは忘れない。
そうしたファンが
「これぞセブン」
と納得したんだから、本物だ。
にしても、この
「他のウルトラマンから、セブンだけを切り離して継続」
という路線再開までに、なぜ四半世紀以上
(26年/「太陽エネルギー作戦」・1994-(マイナス/引く)「セブン」放送終了・1968)
もかかってしまったのか?
逆に言うと、26年も放置していた路線に、なぜあえて再び、陽の目を浴びせることにしたのか?
「平成セブン」が終了する2002年頃には、
世間一般が「ウルトラシリーズ」という作品や、ウルトラマンというヒーローに抱くイメージが、完全な「子供向け」、それも小学校低学年はおろか、未就学児童向けというところまで失墜していた。
この頃の、世間のウルトラマンに対するイメージを象徴するのが、全編わずか15分の短編で、
『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』
の併映作として、2002年8月3日に公開された、
『新世紀ウルトラマン伝説』
当時の既出ウルトラマン28人が総集合!
いやあ、これはインパクトがあった!
わずか15分なのに、悪夢の映像の連続に、印象が強烈で記憶が鮮明。
詳しくはこちらで
その1
その2
その3
本編のはずの
『コスモス2 THE BLUE PLANET』が、すっかりかすんじゃって、観たはずなのに全く内容が思い出せないくらい。
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で、このイメージ失墜+徹底的なお子様化の理由がなぜかといえば、
それより上から成人までの層のヒーロー人気を、
平成仮面ライダーに奪われ始めて、やむを得ない棲み分けが進んだためでもある。
1967年には、巨大ヒーロー、ウルトラマンの後釜が、
等身大のキャプテンウルトラでは、
子供は「ちゃちい」と納得しなかった。
ところが第2期ウルトラシリーズ第1弾の
「帰ってきたウルトラマン」(1971)は、
わずか1日後に開始された「仮面ライダー」に、
次第に人気を奪われるようになり、
「タロウ」(1973)の頃には、
巨大ヒーローものの方こそ、「ちゃちい」とみなされ、
「V3」(1973)に代表される等身大ヒーローに、
人気の座を完全に奪われた。
その後はアニメ人気で、実写ヒーローの人気は、(巨大であろうが等身大であろうが)のきなみ低迷。
低迷期の入口、1979年頃の様子は、こちらで。
そのままかれこれ20年が経過する。
「平成セブン」は、そんな実写ヒーロー低迷期の1994年に始まって、
1994年 映画『仮面ライダーJ』公開
1995年「ウルトラマンG」「同パワード」テレビ放映
1996年「ウルトラマンティガ」テレビ放映
1997年「ウルトラマンダイナ」テレビ放映
1998年「ウルトラマンガイア」テレビ放映
2000年「仮面ライダークウガ」テレビ放映
(※75年の「ストロンガー」以降、関東では「ライダー」はTBSで放送されたが、「クウガ」からテレビ朝日に戻っている)
2001年「ウルトラマンコスモス」テレビ放映
「仮面ライダーアギト」テレビ放映
2002年「仮面ライダー龍騎」テレビ放映
平成仮面ライダー人気が定着し始める2002年に終了した。
ライダーは2013年現在も、実に12年にも渡って途切れず継続しているが、
『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(2009)
ウルトラマンは、制作局がTBSでなく、系列MBSによる「ティガ」「ダイナ」「ガイア」の平成三部作でいったん終了。
『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』(1999)
次の集団は、「コスモス」(2001~2003/含む劇場映画)単体と、
少し間を置き、制作局をMBSからCBCに変えて「ネクサス」(2004)
コスモス(右)とネクサス(左)の4.5メートル巨大立像。
場所は静岡県裾野市の遊園地ぐりんぱ内のウルトラマンパーク。2008年撮影
そのまま切れ目なく続いて「マックス」(2005)「メビウス」(2006)
TBS社屋ビッグハット脇にたたずむ、マックス(右)とメビウス(左)の立像。2008年撮影
と、出身や設定、外観の差別化にすっかり行き詰まり、新しいウルトラマンを毎年送り出すのは、たとえ制作局を交代しても、とうていムリというのが実情だった。
「平成セブン」はだから、新しいウルトラ作品、新ウルトラマンばかりを増産、濫発するよりも、過去の資産を掘り返して有効利用するのはどうか、という逆転の発想だった。
そういう振り返りやシリーズの見直しに至るには、やはり四半世紀の歳月は必要だったし、この見直しは、これより後では(オリジナル当時の俳優が高齢化しすぎて、再出演に適さなくなってしまい)手遅れになりかねない、ギリギリのタイミングとも言えた。
↓毒蝮三太夫は、平成セブン開始時の1994年に、58歳だった。
↑モロボシ・ダン役の森次晃嗣(もりつぐ・こうじ)は、1994年には、51歳だった。
次回は、「セブン」独自路線の復活を26年も阻んだ、その他の要因について。