ルーカス、君にはガッカリだよ(その2)/新旧世代の溝 | アディクトリポート

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SWには2種類のファンがいる。
旧三部作当時(1977~1983)からの、オリジナルのファンと、1999年の『エピソード1 ファントム・メナス』以降の、新三部作のファンである。
で、この新旧ファンは互いに仲が悪い。

なぜかというと、SWの「良いと感じる部分」(加えて「悪いと感じる部分」)が、相反するからである。

新三部作からのファンは、昔からのファンをきらう。
自分たちが良いと感じている、まさにその部分こそを否定されかねないからだ。
せっかく楽しく、ジェダイの格好をして、ライトセーバーを振り回して、つまり新三部作の精神に正しく則って活動しているのに、「そんなのSWじゃない」といわれてしまう。
だから旧三部作ももちろん、そのさらにルーツをたどる私のような試みは、「古(いにしえ)の亡霊がほざくたわごと」だから聞きたくもないし、興味もない。
今示された映画こそが、ルーカスの最終・最良の回答であり、それに文句を言っても始まらない。
こんなすごい世界を創り上げたジョージ・ルーカスはネ申、批判するなんてとんでもない、と考えている。

2007年の終わりに、生活に困り果てて、「誰も知らないSW」という、まあ内幕暴露本みたいなのをオンライン販売した。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-表紙

飛ぶように売れるだろうと考えていた。
自分なら知りたい話、だけど一般には知ることができない話を満載していたからだ。

この本は旧作からのファンには好評だった。
だけど、新三部作のファンには全くアピールしなかった。
そういう話には、まるで興味がないらしい。

当然、その本の中では、新三部作はボロカスである。
出す前に、さすがにこれじゃあ、新しいファンも否定してるよな、と思い直して、ちょっとだけ新三部作をヨイショしておいた。

旧三部作からSWにつきあい続けた身からすると、ここまでの延々たるあげつらいようは、新三部作に対してあまりにも厳しすぎるかも知れないので、ここでは逆に、その功績を挙げておこう。
ーーーーという言葉に続けて、
*旧三部作の焼き直しではなく、旧作にない新しい要素で展開したこと。その新しい要素とはライトセーバーによる剣戟場面で、実際にジェダイのコスプレでセーバーをさっそうと振り回すファンが急増した。
*キャスティングが豪華で、恋愛の要素に期待する女性ファン獲得に成功した。
*SWの根本精神である、誰も知らない物語を、誰も見たことのない映像と、誰も耳にしたことのない音響で味わうという部分はしっかりと継承された。
*理屈の説明や解説に終始して物語が難解になることを避け、単純明快な娯楽作品であり続けることを忘れなかった。
*旧三部作にはない「泣かせる」要素が盛り込まれた。『エピソード1』ではクワイ=ガン・ジンの自己犠牲の精神と、最後まで信念を貫き通す姿、『エピソード2』では青年アナキンの母との死別、『エピソード3』では負の感情に囚われて善悪をはき違えた愚者のもたらす悲劇が、SWの作風を損なわずにきちんと盛り込まれていた。

ーーーー等々をあげた
わけだが、何よりも筆頭に、

賢者によるおだやかな統治を続けてきた共和国という連邦体制が、有事によってもろくも崩れ去り、戦時下においては強いリーダシップを持つ指導者こそが望まれて、次第に独裁制への道が築かれてしまうという部分は、現実の戦争や独裁制をよく研究していて、存分に描かれていたと高く評価できる。

と書いておいた。

旧三部作で「出来の良かった」部分がことごとく失われ、それに取って代わった要素が、おちゃらけジャージャーだの、見た目が奇抜なだけの敵キャラ交代劇だの、「おまえ、SWがわかってねーだろ!」ばっかりだったのに、なぜかこのパルパティーンが、有事を足がかりに(しかもその有事は、彼自身がでっちあげたもの)、あれよあれよと独裁者への道を上り詰めていく様子の鮮やかな描かれようにだけは----
↓『エピソード1』では田舎惑星ナブー選出の一議員に過ぎず、あくまでもクイーンを補佐する役目だった。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-女王
↓それが『エピソード2』では統括議長に上り詰め、非常時の軍指揮権まで手に入れる。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-議長
↓『エピソード3』では銀河史上初の帝国樹立を宣言、初代皇帝となって……最後はマンガに堕する。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-パル3

----とても他の部分を創ったのと同じ、ずさんな人間の仕事とは思えぬ鮮やかさを感じ、ここ一点のみに評価を絞れば、「ルーカスって、ただものじゃないな」と思わされたのに……それすらも借り物であり、古代ローマが下敷きだったなんて!

ちなみに新三部作のファンが好きなSWの魅力に、このパルパティーン台頭は含まれてはいないようですね。

これについては、まだ続きますが、今日のところはこのへんで~。

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