まず、いわゆるマスコミ、映画評論家向けの試写会の数が減っているし、呼ばれる人数も厳選されている。
新聞、雑誌などの媒体が減って、紹介されるチャンスのないものに無駄金を払えないってこと。
だったら一般向けの試写会を増やした方がいいだろうって気がするけど、これもまた諸刃の剣。
誰でも簡単にブログが書けると、そこで試写会の感想も書かれるわけだけど、ブロガーは基本ルールも知らないから平気でネタバレしかねないし、さらに自分の意見に自信がないから、誉めて誰かにクサされるよりは、けなしといた方が格が上がるじゃんと勘違いして、良い作品でもけなしかねない。
そんなわけで、試写会を公開ギリギリまで行わなかった『DRAGONBALL EVOLUTION』でも、やっぱりネットレビューでバカにされまくりで、映画は大コケに終わった。
もちろん、ブログ感想やネットレビューが悪いわけじゃなくて、あれは作品そのものがしょーもなかったから、責任は作品自体にあるわけで、（そして弁護なんかしてやる必要は何もないけど）あれについては、なるべくしてああなっただけではあるが。
事情をおおざっぱにまとめると、鳥山明はジャンプの「ドラゴンボール」連載をやめたくてしかたなかった。
もうこの時点で、創作意欲は尽きていたわけ。
で、「やめて良いけど、そのかわり」という集英社との合意条件は、実写映画化の権利と、そこから派生する収入の放棄だった。
つまり実写映画『ドラゴンボール』からの興行収入と関連グッズの一切は、鳥山氏にではなく集英社に入るわけ。
表向きは、エグゼクティブプロデューサーとなっているけど、実質は鳥山氏は出来上がっちゃってから見せられて、だからこその「原作者としては、あれってところもありますが」的な、控えめ表現だったわけ。
だから映画のポスター（現在画像検索してもひっかからず）にはさりげなく、「集英社が驚いた」というフレーズの入った横長のやつもあった。
そりゃ驚くよ！
で、どうして「集英社も驚く出来」になっちゃったのかというと、しょっぱなから鳥山明の手を離れたこの企画、アメリカでも金の亡者が権利を買って、契約期間終了間際まで具体的な中身がさっぱり進展せず、結局2009年の春までに公開できるなら、手がけるのは誰でもいいし、俳優はその時スケジュールが空いてりゃ誰でもいいし、中身だって原作から逸脱しても一向にかまわないってことになって、ああいう間に合わせみたいに吟味のかけらもない映画が、駆け込み乗車みたいに急いで公開されたわけ。
----という噂ですが、本当かどうかは知りません。
ですので伝言ゲームみたいに、「真相はこうだった」とか、書き写して発表しないでね。
責任は持てません。（だったら書くなよ）
さーて、前置きが異様に長くはなりましたが、くしくも同じフォックス配給の、
『ウルヴァリン：X-MEN ZERO』の試写に、new_world_orderさんのご厚意で行って参りましたとさ。
以下、ネタバレはありません。
アメコミ原作の映画は、最近は原作から設定を変えることに果敢で、実写映画シリーズとしての整合性の方を優先させる方向だから、この『ウルヴァリン』も、以前の『Ｘメン』三部作を観ている人には、すんなりつながるストーリーで、なかなか良かった。
かなり良かった。
相当良かった。
劇場公開されたら、もう１回観ようと思った。
ただし、ウルヴァリンが168センチ程度の小柄な男だというマンガの設定は、180センチを超える長身のヒュー・ジャックマンが演じ続けたことで、もはや完全に忘れ去られている感じはあるんで、そこだけは不満といえば不満。
（ここからちょいネタバレ）
個人的には『スタートレックⅡ／カーンの逆襲』（1982）のスポックの役目を、ジーン・グレイ（ファムケ・ヤンセン）に置き換えた『Ｘ-メン２』（2003）が一番好きなので、
それとつながり率が一番高い、この『ウルヴァリン』がその次に好き。
地味だったけど足固めに堅調だった第１弾（2000）が、その次。
『Ｘ-メン３ ファイナル・ディシジョン』（2006）はさあ、ローグの悩み続けたミュータント問題が、普通の人になって解決ってえのが、「だったらこれまでの映画はなんだったんだ！」と不満だったので最下位。
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