実写映画 マリア様がみてる レビュー(ネタバレあり) | 無限回廊幻想記譚 旧館 -アニメ・映画感想-

実写映画 マリア様がみてる レビュー(ネタバレあり)

 【ストーリー】
スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない生徒など存在しない。
純粋培養されたお嬢様たちの集うこの私立リリアン女学園に通う福沢祐巳(未来穂香)は、極平凡な少女。

リリアン女学園には姉妹(スール)という上級生が下級生を個人的に指導するシステムが存在していた。
祐巳のクラスメイトであるみゆきに姉(スール)が出来た事を喜ぶ祐巳だが、彼女には姉となる人物がいなかった。
祐巳には憧れの先輩がいた。
学校中の憧れであり、姉にしたい先輩として人気の高い小笠原祥子(波瑠)である。

ある朝、いつものように登校した祐巳は憧れの祥子に呼び止められると、タイが曲がっていると直接直してもらう。
そんな場面に偶然出くわして写真に納めたクラスメイトで写真部に所属する武嶋蔦子(広瀬アリス)は、写真を祐巳にあげる代わりに、学園祭で写真部のパネルとして飾らせる事、そして祥子からも許可をもらうことの2つを条件として提示する。
写真欲しさに蔦子と共に祥子の許可をもらうことにした祐巳たちは、薔薇さまと呼ばれる生徒会役員たちが集う生徒会室、通称『薔薇の館』へと足を運ぶ。
祥子は現・紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)こと水野蓉子(平田薫)の妹(プティ・スール)、紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン)でもあるのだ。
薔薇の館に入る事に緊張していた祐巳と蔦子だが、そこにクラスメイトであり、白薔薇さま(ロサ・ギガンティア)こと佐藤聖(滝沢カレン)の妹(プティ・スール)である白薔薇のつぼみ(ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトン)こと藤堂志摩子(高田里穂)に声を掛けられる。祥子に用事があると伝えて取り持って貰うことにした2人は、薔薇の館へと足を踏み入れた。

扉の向こうで他の生徒会メンバーと口論をしていた祥子が部屋から飛び出してきて、祐巳とぶつかって倒れてしまう。
蔦子は写真の事を祥子に許可を取ろうとするも、祥子は写真が何時撮られたものなのかすら覚えていない。だが何を思ったのか、祥子は祐巳に姉がいない事を確認すると彼女を部屋の中へと連れて行き、いきなり妹にすると宣言してしまう。

事態が飲み込めずに目を白黒させる祐巳に、蓉子と聖、更に黄薔薇さま(ロサ・フェティダ)こと鳥井江利子(秋山奈々)の3人の薔薇さまは事情を説明する。
今度の学園祭で山百合会主催の演劇に『シンデレラ』を行うことになり、祥子はそのシンデレラ役に選ばれたのだ。
だが王子様役に隣の男子校である花寺学院から生徒会長がやってきて演じることになっている事を知り、男嫌いの祥子はこれに猛反発したが、薔薇さまたちに「妹1人作れない人間に発言権はない」と言われてしまったのだ。
そこで偶然出会った祐巳を妹にしようとしたのだが、蓉子は発言は自由にしても良いがキャストの変更は認めないと告げる。

更に祐巳は祥子から姉妹(スール)の契りであるロザリオの授受を拒んでしまった。
祥子は先に帰ろうとするが、祐巳は王子様に男性を配役した事を黙っていた薔薇さまたちにも否があると、祥子を助けようとする。
すると、蓉子は祥子が学園祭までに祐巳を妹にする事が出来たら、キャストを変更すると約束する。だが、同時に妹となった祐巳が姉の穴を埋めるため、祥子の代わりにシンデレラ役をやらなければならない。
祥子はこの提案を承諾すると、祐巳に必ず妹にして見せると宣言した。
戸惑いながらも、祐巳は学園祭までの間、芝居の稽古をしながら、薔薇さまたちの手伝いをする事になる。

・キャスト
福沢祐巳:未来穂香
小笠原祥子:波瑠
水野蓉子:平田薫
佐藤聖:滝沢カレン
鳥井江利子:秋山奈々
支倉令:坂田梨香子
藤堂志摩子:高田里穂
島津由乃:三宅ひとみ
武嶋蔦子:広瀬アリス
柏木優:碓井将大

公式サイトhttp://www.mariasama-movie.jp/

予告(Youtube動画)

 【感想】
今野緒雪先生原作の人気ノベル『マリア様がみてる』の実写映画です。
お話は第1巻を若干アレンジしたものとなっています。
祐巳のナレーションを挟みつつ、祐巳と祥子の出逢いから、学園祭終了までのお話です。
漫画・アニメと続いてついに実写です。
え、過去に実写があった? ソンナコトハアリマセンヨ。

上映前にはFLASHアニメ『マリア様のたしなみ』で小笠原祥子(声:伊藤美紀)と福沢祐巳(声:植田佳奈)によるミニコントが見る事が出来ますが、映画館によって異なる全3パターンが存在し、どれかを見る事が出来ます。全部見るには3つの劇場を廻らないといけないという事ですね。
公開前予告CMのアニメ『マリア様のおしらせ』は公式サイトでも視聴可能。
http://www.mariasama-movie.jp/index.html#/movie/flash1
これら6本はおそらくDVDにも収録されるのだろう。

上映はわずか2週間しかないみたいで、1週目に1日2本、2週目には1日1本という寂しい状態はスポンサーの力が弱いのかな。配給も小さいところだしな。
人気作品の割にあまり客が入っていないのは、実写に期待がされていないからか。
後、原作は少女小説なのに、女性客が少ないのも印象的。
更に、何故か凄い高齢の男性などもちらほらいて、この人達は原作小説とか知らずに見ているのかなぁ、とか思った。

この作品ってアフレコしているのだろうか?
なんか口パクと声が微妙に一致していないように思えて仕方がないんだよな。そのせいで全体的に演技が今ひとつな感じで見ていてシリアスな場面なのに笑えてしまったりした。もしくは撮影機材が悪いのかな。
特に脇役の名もない学生たちのエキストラの演技が酷い……何故だろうと思ったら、mixiで募集した素人を使ってるからなんだな。
後、映像が荒いのはカメラ機材のせいだろうか。薔薇の館のシーンなどは凄い荒さが目立つ。

祐巳役の未来穂香は仮面ライダーオーズで女子高生メズールをやっている子ですね。
この娘ってこんな滑舌が悪かったか、と思うほどに台詞が辿々しい。特にナレーションは聞いていてなんかハラハラしてしまう。何処かでとちるんじゃないかと思うほどに……いや、映画なんだからとちるなんて事はありえないんですけどね。
もう少し演技が上手くなればなぁ。
この娘はパーフェクト・ブックにあるようなおどけた笑顔とかの方が可愛く映るので、作中ではもう一つ可愛らしさに欠けた感じがした。

小笠原祥子役の波瑠は何処かで見た事があると思ったら、武士道シックスティーンに出ていた娘か。
波瑠は基本的には美人なんだけど、正面から見るとちょっと……と思うのは少し鼻の形が悪いのかな。横顔とか結構な美人なんだけどね。

2人以外では主に活躍したのは水野蓉子、藤堂志摩子、武嶋蔦子の3人。
蓉子は原作で聖が言っていた台詞なども口にしてました。

蓉子役の平田薫は美人で演技も上手い。おそらくキャストの中では一番演技が上手いです。全員が彼女レベルの演技をしていれば、もっと安心して見る事が見れたと思うんだけどなぁ。

志摩子役の高田里穂は本当に美人です。志摩子役にしてはちょっとふっくらしている感じもあるけど、あれだけの美少女はあまりいないので、演技も悪くないし適役と言えるだろう。
今は仮面ライダーオーズで泉比奈役で頑張ってますね。

聖役の滝沢カレンはハーフという事もあって、ハーフっぽいキャラである聖には合っていたかな。演技はもう少し頑張って欲しいところだけど。原作よりも出番が控え目で、蓉子に喰われてしまった感じがある。

蔦子役の広瀬アリスはなんか可愛さがちゃんと映ってなかったかな。
たぶん、あの眼鏡が似合ってないのだと思う。
蔦子に原作ほどのインパクトはありません。てか、薔薇の館で祥子が祐巳にロザリオを掛けようとしたシーンでカメラを構えるあたりが、空気読めてない感じで笑えた。

黄薔薇ファミリーは全体的に影が薄いけど、原作でも影が薄いので仕方ないか。
由乃役の三宅ひとみは原作よりも出番が増えている感じだけど、やっぱり影は薄目。
江利子役の秋山奈々はちょっとイメージが違うかな。ふっくらしすぎているのと、大人っぽさに欠けている。彼女はもう少し幼い感じのキャラの方が似合っているかな。
支倉令役の坂田梨香子は泣けるほど出番がない。いや、画面には映ってても台詞がないか、ガヤな感じになってしまってる。

柏木優役の碓井将大はもう少し他に人がいなかったのだろうか……美形ではあるのだけど、イメージが違うよな。

しかしこうやってキャストを見てみると、特撮経験者が多くない?
監督である寺内康太郎の趣味なんだろうか。

シンデレラでは原作では祐巳と祥子以外にはあまり他のメンバーのキャストは判っていないが、劇中で覚えている限り判ったのは、蓉子=お妃、志摩子=魔法使い、由乃=ねずみ。
由乃のねずみというのは、心臓が悪化して倒れて出られなくなってもなんとかなるようにという配慮か?

オープニングでは黄薔薇革命でスールを解消する事になるみゆきが出ていましたが、何故みゆきを採用したんだろう。桂さんではダメだったのかな。
続編を考えているからなのだろうか。
お話は真面目に展開するので、残念ながら笑いどころは少な目。
原作も笑える話というのはむしろ続編の方が多かったかな。
続編をやるのかどうかは判りませんが、今回の観客動員数とか考えても続編は厳しいかな。

「アベマリア」でサファイアについての下りを、祥子が早々に口にしてしまったので、エンディングをどう締めるつもりなのかと思いきや、蔦子さんが美味しいところを持っていきました
タイトルで締めるというラストとは。

個人的評価:60点

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