刀語 第六話「双刀・鎚」 | 無限回廊幻想記譚 旧館 -アニメ・映画感想-

刀語 第六話「双刀・鎚」

日本列島の最北端に位置する厳しい環境に包まれた島「蝦夷」
その中でも極度の災害地域に指定され、絶対凍土の踊山に鑢七花と《奇策士》は上っていた。
山の頂上に住まうという凍空(いてぞら)一族が持つ『双刀・鎚』だが、とがめは凍空一族の事も鎚の事も何も知らず、七花からは奇策士とは策を練らない人間の事かとまで言われてしまう。
とがめはここに鎚が存在しているという情報だけを入手していたのか。まぁ、本来ならまだ来る予定ではなかったのに、蝦夷にやってきてしまったというのも情報不足の理由にはあるのだろうが。

薩摩から蝦夷へと移動したとがめの動きを報された否定姫。
左右田右衛門左衛門は否定姫によって顔に『不忍』の文字を書いたマスクをつけていた。
踊山の災害指定は山そのものではなく、凍空一族につけられたものであり、面白くなりそうだとほくそ笑む否定姫。
否定姫は何らかの理由で一線を退いていたのが、とがめが旅に出ている間に復活したようだ。
右衛門左衛門は「不忍」という面を付けられているという事は、忍者なのかな。

七花におぶられていたとがめは、自分が死んだら「ちぇりお」を自分の代わりに流行らせてくれだの、本当の幸せは誰かと共に歩む事だっただのと語っていたものの、寒いという感覚を理解できていなかった七花は、手足が凍傷になって動けなくなってしまった。
しかし凍傷になっている事にも気付かないというのは、鈍いにも程があるだろう。
吹雪の中で眠ってしまった七花だが、そこにひょっこり現れた凍空こなゆきが七花ととがめを背負って助けた。
外見に似合わぬ怪力少女だった。

同じ頃、真庭忍軍十二頭領が生き残りの六名が集まっていた。
《神の鳳凰》真庭鳳凰
《長寿の海亀》真庭海亀
《巻戻しの鴛鴦》真庭鴛鴦
《読み調べの川獺》真庭川獺
《増殖の人鳥(ぺんぎん)》真庭人鳥
《伝染の狂犬》真庭狂犬
鳳凰は半数に減ってしまった事でとがめとの停戦協定の事を報告し、一丸となって協力しあう必要性を訴えた。
真庭蜜蜂と良い仲であった鴛鴦や真庭蝙蝠と親友であった川獺だが、私情を任務には持ち込まぬようにし、目的遂行を優先する。自分たちがとがめに伝えた刀以外の刀を集める事になったまにわに。
彼らは忍者らしく、情よりも役割を優先するのですね。しかしまにわにって頭領は出てきているけど、下っ端はまるで姿を見せていないが、存在していないのだろうか。でも存在しないなら頭領とは呼ばないよな。下っ端は一般の任務をこなしているのかな。
情報収集能力に長ける人鳥は、死霊山が何者かによって僅か半時で壊滅させて刀を奪い去ったのだと語る。
もちろんそんな怪物みたいな事が出来る人間はただ一人。
彼らが話し合っている間に、もっとも情に厚い狂犬がとがめたちの下へと向かってしまったため、協定は破棄せざる得なくなってしまった。

助けてくれた少女こなゆきが凍空一族と知り、一族の下に案内して貰おうと思ったとがめだが、なんと凍空一族は雪崩でこなゆきを残して全滅していた。しかもこなゆきは刀の所在を知らないという。
村長の息子が狩りに使っていた刃物があるというこゆきは、その刃物を探しに出て行く。
こゆきが自分たちに親切にするのは、一族を失い寂しさを感じたからなのかと考える七花だが、とがめは人間らしい感情の芽生えている七花に危惧を覚える。
七花は何百年の続いた一族、しかも山頂にあるという村が雪崩で壊滅したという話に不自然さを感じる。

雪山に咲く花を籠一杯に集めるこゆきは涙を堪える。

七花と同じハンモッグで横になるとがめは、ちぇすとの事以外に自分に隠している事がないかと問いただす。
ちぇすとの事は、前回のラストに船でも訊ねてなかったか?
全部話せというとがめに、七花は虚刀流先代当主である鑢一根を七花が殺している事実、とがめが飛弾鷹比等の実の娘である事も蝙蝠から聞いて知っていた。
七花が真実を知ってから自分の刀になる事を選んだのだと知って照れるとがめは、改めて2つの事実を誰にも語らないように忠告する。

全ての刀を集め終えた時、とがめはどうするつもりなのかと問い掛ける七花。
自分はどこまでも付き合うつもりだが、刀集めを終えた時、刀である自分をどうするのか、と。
自らの父の仇である虚刀流の処遇について問われたとがめだが、まだ刀集めの最中であるからと、結論を先延ばしとする。

翌朝、鎚を取ってきたこゆき。
こゆきは楽々持っていたが、七花でもぴくりともしないほどの重量であり、この世で最も重い刀だった。
力持ちの一族だが、こゆきは一族でも最も力が弱かったのだと語る。
但し書きには鎚は簡単に持ち出してはいけない刀であり、鎚を使って渡すか否かの資格を確かめなければならないのだという。

勝負することになった七花とこなゆきだが、七花にも持てぬ刀故、それを尾張まで運ぶことが出来るこなゆきは殺す訳にはいかない。
七花は虚刀流の技で攻撃するが、こなゆきはまともに受けてもピンピンしていた。
奥義を使うか否かに迷っていた七花に対して攻撃をしかけたこなゆきは、刀の機動も自在に操る。
咄嗟に刀を受け止めた七花は、その重量の威力故に受け止めた腕の骨を折ってしまい、刀探しに出てから初の黒星を喫してしまう。
そんな彼らの下に、狂犬がいよいよ近づいていた。

獣組の指揮官である川獺ですら把握していない狂犬の忍法。
鳳凰は狂犬は既に死んでおり、今の彼女は残留思念であり、女の肉体を自由に移り歩く事が出来る。それが忍法狂犬だという。
狂犬を失い、とがめとの協定も失うという状況は出来れば避けたい鳳凰は、最悪の場合には川獺に死んで貰わなければならないと告げる。
それをあっさりと受け入れる川獺。

七花があんなに弱いとは思わなかったというこなゆきは、七花の傷を癒すために兎を獲りに行く。
とがめは今回の一件は自分が悪かったというとがめだが、七花は敗北は自分の責任であると否定する。
子供で有るが故に、何も考えずに攻撃してくる厄介さ。
最悪自分は殺されていたので、とがめの制止が早くて助かったと語る。
七花はとがめと交わした「刀を守れ、とがめを守れ、自分自身を守れ」という約束を守れなかったと謝る七花に、今回はあくまでも自分の失策であると告げる。

資格というのはこなゆきのウソだろうと考えていたとがめ。
一族を失い、一人きりとなってしまった彼女は、とがめたちを引き留めるためにウソを吐いたのだろうと語る。
雪に埋もれた村でこなゆきは一人で狩りが出来るようになったと報告し、ウソはいけない事であり、もう少しだけ遊んだらウソを吐いた事をきちんと謝ると告げる。
「みんながいなくて……うちっち、寂しいよ」
小さく泣き続けるこなゆき。

犬の鳴き声を聞きつけて飛び出した七花ととがめは、そこで狂犬を撃退したこなゆきの姿を見つける。
とがめのせいで真庭忍軍はめちゃくちゃになってしまったという狂犬だが、こなゆきの一撃で負傷していた。だが、七花がこなゆきに負けてしまったと聞かされた狂犬は忍法狂犬発動を行い、こなゆきの肉体を奪い取る。

七花は肉体を奪われたこなゆきを殺してしまっていいのかとがめに確認すると、とがめは殺してしまうように告げる。
強い力を持つこなゆきの肉体に満足する狂犬は、記憶や知識なども全て共有する事が出来た。
その中で、凍空一族が何者かによって滅ぼされてしまった事を知る。
雪崩で滅びたのではなく、何者かが殺したという事。つまりは七実は死霊山を襲って刀を奪う前に、ここにやってきて一族を滅ぼしたものの、鎚は重すぎて使えなかったのか、放置して去ったという事だろうか。
何千人もの人間の記憶を引き継いできた狂犬。だが、彼女のその経験が仇となり、七花に動きを読み取られて逆に倒されてしまう。

とがめは自分の肉体を奪おうとしているのに気付くと、即座に自分の肉体が奪われたら躊躇なく殺すように七花に命じると、自分の肉体の脆弱さを狂犬に語る。
狂犬は限定奥義『双刀之犬』を放つが、虚刀流五の奥義『飛花落葉』で迎え撃つ。
七花の奥義により、こなゆきの肉体から狂犬の刺青が消える。
七花は刺青だけを衝撃を表面にだけ伝えることで、刺青を消してこなゆきを救ってみせた。

殺せという命令に背き、こなゆきを自らの判断で助けた七花。
これまで一本の刀として命令には確実に従い続けてきた彼の変化。一人の人間としての自覚を持たせようと思っていたとがめ。そうする事でしか乗り切れぬ局面がこの先にあると信じていた彼女だが、刀の切れ味を落としただけではないのかと悩む。

川獺と共にやってきた鳳凰は、最悪の事態になってしまっていたと語る。
自分たちは狂犬を止めにきたという鳳凰は、今回の責任をとらせて欲しいと語る。
川獺の使用する『忍法記録辿り』。物体に対して記憶を辿ることのできる探魂法。
刀探しにとって非常に有効な忍法を持つ川獺。彼を殺害する事で、刀探しの有効な手段の一つを失い、且つ頭領も残り4人となった。
驚異となくなった筈という鳳凰は、それでも尚自分たちと敵対する道を選ぶのであれば、この場で戦う道を選ぶと宣告する。

再び協定を結ぶ道を選択したとがめに、鳳凰は死霊山にあった悪刀・鐚の所有者が変わり、その人物は陸奥から四国行きの船に乗っている事、死霊山を僅か半時で壊滅させた化け物である事を伝える。

尾張へと刀を運ぶこなゆきを見送る七花ととがめ。
こなゆきは刀を運び終えた後、出雲の三途神社へ行くことになっていた。
遊んでくれてありがとう、というこなゆきは嬉しかったと礼を告げて去っていく。

こなゆきに負けたままとなって、何か心残りを感じている七花。
「心変わり」と聞き間違えたとがめはちょっぴりヤキモチ。
そんな彼らの様子を窺い続ける右衛門左衛門。

人間性をましている七花たちが次に向かうのは四国は土佐、清涼院護剣寺。
七花はそこで姉殺しを経験する事となる。
刀と心、折れるのは果たして……

次回 第七話「悪刀・鐚」

七花の知る限り、最強の敵が立ちふさがる。
虚刀流の全てと最終奥義も弱点を知られているため、新たな技が必要となるようだ。


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