連載小説『 人形と悪魔 <約束の章> 第十四節 』 | ADNOVEL
2012-11-21 03:53:50

連載小説『 人形と悪魔 <約束の章> 第十四節 』

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■作品タイトル
『 人形と悪魔 <約束の章> 第十四節 』

■作者
AZL

■スキルアート
小説

■作品

次の門をくぐるとそこは、見渡す限りの青い雪山がそびえ立っていました。
その山脈の道沿いに奇怪な形をした教会が立ち、その棟が遥か彼方の宮殿まで続いていました。寒さのあまりカロンは身震いしてしまいます。普段なら魔法の力で平気なはずなのですが、カロンの力はすっかりと弱くなっていました。

教会を抜けて辿りついた先の宮殿の中に次の門はあるとそう考えたカロンは
大嫌いな教会の門をたたきます。

昔、おじいさんの街に住む牧師が
言っていた事を思い出します。

聖書の一節にはこうあります。

求めよ、そうすれば与えられるであろう。
捜せ、そうすれば見いだすであろう。
門を叩け、そうすれば開けてもらえるであろう。
 
 すべて求める者は得、捜す者は見いだし、門をたたく者はあけてもらえるからである。

悪魔であるカロンにとって大嫌いなはずの
聖書の言葉の中でこの一節だけが妙に頭の中に残っていたのです。
もちろんこれらの言葉は信仰あってのものでしょうが、
カロンはその言葉を少なからず嫌いではありませんでした。

「僕は求める!だからよこせ!」

と自らに気合いを入れて重い扉を開くと、そこは紛れも無い教会でした。

悪魔とは無縁の場所です。

カロンはもちろん教会が嫌いです。
悪魔が悪者にされている話が聞こえてくる建物だからです。

茶色い長椅子がいくつも並んでいる部屋の真ん中には赤い絨毯が敷かれた通路があり、
それは祭壇へと繋がっていました。

天井は高く、ドーム型の造りでゴシック様式を思わせます。
窓には様々な色を照らしだすステンドグラスで出来ています。

辺りには妙な静けさが広がっていました。

十字架に人間が磔にされた像が飾られている祭壇までくると
急に近くにあったパイプオルガンから壮大な讃美歌のメロディが溢れだしてきます。

もちろん演奏する者は見当たりません。

その嫌味な演出に苦笑いするしかないカロンです。
先に進む為の通路は祭壇の奥にありました。

体が痺れる間隔に襲われるカロンでしたが、構わずに足を進めます。



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