「別れてほしい」
彼女の口から発っせられた言葉は、ストレートで痛々しい言葉だった。
「え……?」
「もう、好きでいられる自信がないよ……」
目を伏せて言う姿は小さく見え、これが精一杯と言いたげだ。
「どういうことですか?」
「言葉通りだよ。好きでい続ける自信がない」
今度はハッキリと目を合わせて、僕に向かって言った。
「………………そうですか」
ぷつり、と僕の中で何かが外れる音がしたけど、きっと気のせいだろう。気のせいということにしておこう。
誰もいない僕の部屋の中。立ち上がり、出ていこうとする彼女の手首を掴み、視線で射殺するかのように冷たく睨んだ。
「離してよ……」
明らかに恐怖に目覚めはじめた声。
彼女の背中を強引にドアに押し付け、両の手首をひとまとめにして、頭上で固定する。
「どうしたのよ!?」
「………………べつに。なんでもありませんよ」
低く呟いて、ポケットに隠し持っていた折りたたみナイフを取り出し、彼女の首の頸動脈へと当てる。
「ひっ…………!」
恐怖からか、彼女の頬に涙が零れ落ちる。
「静かにしないとコレ、引きますよ?」
「………………」
「よくできました」
彼女の頸動脈にナイフを当てたまま、ゆっくりと、優しくその唇に口づけを落とす。
「僕は貴女を愛してます。現在進行形で。もう、分かってますよね?」
小さく彼女が頷く。
「なら、貴女はどうすれば良いのかも分かってますよね?」
「……だからって、それじゃぁ一方的過ぎるよ」
「…………貴女は僕に永遠を約束した。貴女は約束を破る気ですか?」
あの日、彼女は僕に誓った。
‘ずっと、永遠に一緒にいるよ’
「……………………」
「もう、貴女は僕から逃げられない。僕が死ぬまで、半永久的に傍にいてくれますよね?」
薄く頸動脈を斬ると、血が滲み、それを抉るようにキスすると彼女が痛いと言う。
「もっと泣いていいですよ。もっともっと痛みを感じてください! 痛みに悶える貴女の顔が一番好きですよ!」
頸動脈からナイフを外し、片手で抱きしめ、背中に手を入れて皮膚を削ぐ。
その度に彼女が泣き叫べば、僕の気持ちは高揚していくばかり。
別に僕が加虐性愛というわけではないが、彼女の泣き叫び、僕を求める声が、その姿が好きだと感じた。
世の中では、僕のことを病んでいると表現するらしいが、それならそれでべつにいい。
とにかく、彼女と離れたくなかった。
「ごめん、なさい!! もう、言わない、から! 言わないから、もう止めてぇ!!」
「約束できますか?」
何度も頷く彼女の額に一つ、口づけを落とし解放してやる。
ペタリと床に座り込み、放心状態に至っているようだ。
「分かればいいんですよ、分かれば」
傷はそのまま血を流したまま。
冷たいフローリングの床にぱたぱたと落ちてゆく。
~farewell~
(永遠を約束したのですから、ね)
farewell→お別れ・別れ
彼女の口から発っせられた言葉は、ストレートで痛々しい言葉だった。
「え……?」
「もう、好きでいられる自信がないよ……」
目を伏せて言う姿は小さく見え、これが精一杯と言いたげだ。
「どういうことですか?」
「言葉通りだよ。好きでい続ける自信がない」
今度はハッキリと目を合わせて、僕に向かって言った。
「………………そうですか」
ぷつり、と僕の中で何かが外れる音がしたけど、きっと気のせいだろう。気のせいということにしておこう。
誰もいない僕の部屋の中。立ち上がり、出ていこうとする彼女の手首を掴み、視線で射殺するかのように冷たく睨んだ。
「離してよ……」
明らかに恐怖に目覚めはじめた声。
彼女の背中を強引にドアに押し付け、両の手首をひとまとめにして、頭上で固定する。
「どうしたのよ!?」
「………………べつに。なんでもありませんよ」
低く呟いて、ポケットに隠し持っていた折りたたみナイフを取り出し、彼女の首の頸動脈へと当てる。
「ひっ…………!」
恐怖からか、彼女の頬に涙が零れ落ちる。
「静かにしないとコレ、引きますよ?」
「………………」
「よくできました」
彼女の頸動脈にナイフを当てたまま、ゆっくりと、優しくその唇に口づけを落とす。
「僕は貴女を愛してます。現在進行形で。もう、分かってますよね?」
小さく彼女が頷く。
「なら、貴女はどうすれば良いのかも分かってますよね?」
「……だからって、それじゃぁ一方的過ぎるよ」
「…………貴女は僕に永遠を約束した。貴女は約束を破る気ですか?」
あの日、彼女は僕に誓った。
‘ずっと、永遠に一緒にいるよ’
「……………………」
「もう、貴女は僕から逃げられない。僕が死ぬまで、半永久的に傍にいてくれますよね?」
薄く頸動脈を斬ると、血が滲み、それを抉るようにキスすると彼女が痛いと言う。
「もっと泣いていいですよ。もっともっと痛みを感じてください! 痛みに悶える貴女の顔が一番好きですよ!」
頸動脈からナイフを外し、片手で抱きしめ、背中に手を入れて皮膚を削ぐ。
その度に彼女が泣き叫べば、僕の気持ちは高揚していくばかり。
別に僕が加虐性愛というわけではないが、彼女の泣き叫び、僕を求める声が、その姿が好きだと感じた。
世の中では、僕のことを病んでいると表現するらしいが、それならそれでべつにいい。
とにかく、彼女と離れたくなかった。
「ごめん、なさい!! もう、言わない、から! 言わないから、もう止めてぇ!!」
「約束できますか?」
何度も頷く彼女の額に一つ、口づけを落とし解放してやる。
ペタリと床に座り込み、放心状態に至っているようだ。
「分かればいいんですよ、分かれば」
傷はそのまま血を流したまま。
冷たいフローリングの床にぱたぱたと落ちてゆく。
~farewell~
(永遠を約束したのですから、ね)
farewell→お別れ・別れ