※攘夷モノ








嗚呼、空は残酷な程澄みきった青だ。
こんな日はのんびりと過ごしたいものだが、神様はそんなことをさせてくれないらしい。まぁ、神様がいるなんて信じていないけど。

こんな澄みきった青い空の下、血生臭い戦乱が行われている、なんて。

誰がこんなことを望んだのだろう。なにが嬉しくてこんな日に誰かが死にゆく様を見なくちゃいけないんだろう。
もう、イヤだ。
仲間が傷つき、死にゆく姿を見ていくのが。この手で誰かを傷つけ、殺していくのが。
私には背負いきれない。重たくて、重たくて、私の中から零れ落ちていく

「ねぇ、銀時」

「あぁ?」

どうやら今日の銀時はご機嫌ななめらしい。
それもそうか。戦乱から戻ってきたばかりなのだから……。

今の銀時……いや、白夜叉なら、

「私を死なせて」

小さく耳元で呟いた。

今の白夜叉なら私を死なせてくれるような気がした。
死ねば楽になるのかな。死ねばもう、誰も自分も傷つけずにすむ。

「はァ?」

「もし、誰かに殺されるなら銀時に殺してもらいたい」

自嘲じみた笑顔を顔に貼付けた。

「ねぇ、お願い」

「お前……」

銀時の身体がカタカタと震えているのと同時に、纏う空気が一気に緊張へと変わった。

「意味分かってんの?」

体の奥底に響くような低い声が吐き出される。

「死ぬっつー意味分かってんのかよッ!?」

「…………」

「なんで生きてる命を俺が消さねェといけねーんだよッ」

「だって……! 私だって「お前の事情なんざ知らねェよ」

冷たく鋭い視線が射ぬく。
ああ、やっぱりそうなのか。そうだよね。
白夜叉といえども、‘ニンゲン’だもんね。

「……ごめん、銀時」

「もう血迷ったこと言うな」

「うん」

やっぱり銀時じゃダメだったか。
期待はしてたんだけどね。私を楽にしてくれるって。
他は……多分、銀時と同じ答えが返ってくるだろうな。

なんでみんな私をこの地に縛り付けるんだろう。
あぁ、死に損ねた……。





~fail to die~
(誰か私を殺して)








fail to die=死に損ねる