[グルタチオン]
(Wikipedia)
グルタチオンは3つのアミノ酸から成るトリペプチドである。
抗酸化物質の一つであるグルタチオンは、フリーラジカルや過酸化物といった
活性酸素種から細胞を保護する補助的役割を有する。
また、グルタチオンは硫黄部位が求核性を有し、有毒な共役受容体にアタック
する。
グルタチオンは専ら還元型として存在することが知られているが、これは、
酸化的ストレスに曝されると、酸化型を還元型に変換する酵素(グルタチオン
還元酵素)が構造的に活性化され、また誘導されるからである。
事実上、細胞中の還元型グルタチオンと酸化型グルタチオンの比率は、
しばしば細胞毒性の評価指標として科学的に用いられる。
また、グルタチオンは日本薬局方に収載された医薬品であり、また健康や
美容の維持に有用であるとして、サプリメントとして販売されている。
<生理的機能>
グルタチオンの生理的機能は多々あるが、主要な機能は大きく2つに分ける
ことができる。
ひとつは細胞内のチオール環境を維持することである。
チオールは生体内の主要な抗酸化成分である。
グルタチオンは自らのチオール基を用いて過酸化物や活性酸素種を還元して
消去する。
また、タンパク質中のジスルフィド結合を還元して2つのチオール基に戻す。
さらに、グルタチオンは細胞のシステイン源でもあり、システインはチオール
基を含む。
もうひとつの主要な生理機能は、様々な毒物・薬物・伝達物質等を細胞外に
排出することである。
グルタチオンはこれらの物質を、やはりシステイン残基のチオール基に結合
させ(グルタチオン抱合)、自ら細胞外に排出されることで、細胞を解毒
する。