切迫性尿失禁、UUIと言いかえ相談しやすく | アクティブエイジング アンチエイジング

[切迫性尿失禁…UUIと言いかえ相談しやすく]

(家庭の医学  2017年5月23日)


<安心して外出や旅行を楽しむために>
UUIとは、急な尿意でトイレに間に合わない症状がみられる「切迫性尿失禁」
のこと。
過活動膀胱によるトラブルのひとつです。
UUIで悩んでいる女性は多いのですが、恥ずかしさなどから誰にも相談
できず、受診をしていない人が少なくありません。

そんな尿トラブルの悩みを持つ女性が医師へ相談しやすくために、切迫性
尿失禁を「UUI」と言いかえて受診を促すキャンペーンが行われています。

過活動膀胱の特徴的な症状は、尿意切迫感です。
我慢できないような尿意を急に感じます。
そうでない時には何の問題もないのに、突然の尿意に対応できず、実際
トイレに間に合わずに漏らしてしまうことも。
これを切迫性尿失禁(UUI)といいます。

女性の排尿トラブルには、UUIのほかに腹圧性尿失禁や頻尿があり、全体で
みると女性より男性のほうが多いのですが、40歳代に関しては女性が上回って
います。
そして、UUIは女性に多い傾向があります。
40歳以上の女性の約1割は週に1回以上UUIを起こしているという報告も
あります。

これだけ多くの女性が抱える症状ですが、受診率がとても低いのが現状です。
過活動膀胱の有病者でも男性は4割以上の人が受診しているのに対して、
女性は1割前後に留まっている、という報告があります。
また、医療機関を受診し始めるきっかけとして、9割以上の女性がUUIを経験
しています。

はっきりした原因がわからないケースも多くありますが、パーキンソン病
や脳血管障害など脳神経の障害のためにUUIが起こるケースのほか、男性では
前立腺肥大、女性では出産による骨盤底筋力の低下なども原因となります。
もちろん加齢も影響します。

急な尿意で排尿を我慢するのがむずかしい、急な尿意でトイレに間に
合わなかったことがある、昼間のトイレの回数が多い、就寝後にトイレに
起きる、以上4つの症状に思い当たる場合は、まずは泌尿器科に相談して
みましょう。

診断には症状に関する問診と尿検査、超音波検査が行われます。
排尿日誌でトイレに行った回数や尿量、尿意を記録すると症状の傾向が
つかめるので診断、治療に役立ちます。

必要に応じて、測定装置のついたトイレで1回の排尿にかかる時間や尿量、
勢いなどを調べる尿流量測定や、一定時間パッドを着けて尿もれの量を測定
するパッドテストなどで詳しく検査することができます。

治療には薬物療法として膀胱の過剰な収縮を抑える薬や、膀胱の筋肉を緩める
薬が症状に合わせて処方されます。
行動療法では、水分の摂り方など生活面の指導、尿意を我慢する訓練、
骨盤底筋トレーニングなどが行われます。


UUIで悩む人の多くは、移動中つねにトイレの場所を気にするなど、不便を
感じており、外出や旅行を控えたり、人との付き合いがおっくうになるなど、
精神的に落ち込んだりする場合もあります。

しかし、治療を受けることで症状は改善され、自由度が高まる日々を取り戻す
ことができます。まずは医師に症状を話してみることをおすすめします。




(監修:ますえクリニック 増栄孝子)




http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/124438/