心の病気と有名人(2)カレン・カーペンター | アクティブエイジング アンチエイジング
[心の病気と有名人VOL2 カーペンターズのカレンと拒食症]

(All About  2004年02月18日)


<拒食症に苦しみ亡くなったカレン・カーペンター>
カレン・カーペンターは、兄と二人でカーペンターズを結成し、イエスタテー
ズ・ワンスモアなど、数々のヒット曲を出しました。
グラミー賞を3度、受賞するなど、1970年代を代表する歌手にまで、なった
ものの、拒食症に苦しみ、32歳の若さで亡くなりました。



<音楽活動大成功の影に拒食症>
彼女は、もともとふっくらしたティーンエージャーでしたが、16歳頃、
水ダイエット(一日、2リットル程、水を飲むことにより、基礎代謝の向上
など体質改善方法をはかるダイエット法)で10キロ近くやせました。

その後、兄と音楽グループを結成し、1970年代前半には、Close to You、
スーパースターなど数々のメガヒット曲をとばし、一躍、人気歌手になり
ました。

1974年にはホワイトハウスに招待されて、演奏を披露するなど、彼女の音楽
活動はこの頃、絶頂となるものの、甲状腺ホルモン錠剤(代謝を亢進させ、
体重を減少させる作用を有す)や下剤などを大量使用していて、拒食症が
進んでいました。

1975年には、体調不良が元で、ヨーロッパ・ツアーがキャンセルされる
など、彼女の健康状態は悪化していき、とうとう、ラスベガスでのコンサート
中、Top of the World を歌っている最中に、倒れました。
その頃の体重は、わずか、37~38キロでした。

この、事件を契機に、彼女は、深刻な健康問題を抱えていることを悟り、
医師やカウンセラーを訪れるようになりました。



<拒食症克服と思われていたカレンが死に至った理由>
以後、音楽の方も、徐々にヒットが少なくなっていき、1982年には離婚
しましたが、その頃には、体重も7~8キロ増加していて、拒食症は克服した
ものと思われていました。

しかし、長年の栄養不足、過剰な下剤の使用、睡眠不足などがもとで、心臓が
すっかり弱ってしまい、1983年にカリファルニアの両親の家を訪れている
最中に心臓発作を起こして亡くなりました。

カレンの兄は、1993年の雑誌のインタビューで、「妹がどうして拒食症に
なったのか見当もつかない」と語ってます。



<食べればすぐ治るは間違い! 拒食症は深刻な現代病>
拒食症は、スリムな肉体を賛美する現代文化の犠牲ともいえ、若い女性に多い
病気です。
食べればすぐ治ると、軽く見られがちですが、上記のように深刻な顛末を
迎えることもすくなくない深刻な病気です。

彼女の死亡が伝えられる前は、拒食症は、世間的には、ほとんど知られて
いませんでしたが、カレンの死は、全米に衝撃をもたらし、一般の人にも、
拒食症が広く知られ、拒食症専門の病院も設立されるようになりました。





http://allabout.co.jp/health/mentalillness/closeup/CU20040210A/index.htm