口周りの毛が太くなる・顔が太る・・・クッシング症候群 | アクティブエイジング アンチエイジング
最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学
 
 テーマ: 『本当は怖い肥満~死へのバージンロード~』


M・Kさん(女性)/29歳(当時)  商社OL

交際2年目の彼との結婚を半年後に控えていたM・Kさん。
ウェディングドレス選びの際、お腹にポッコリと脂肪が付きはじめている
ことに気づいたのを機に、「結婚式までに痩せなくては・・・」と、
ダイエットを決意。
昼食は今まで通りだったが、朝は野菜ジュースのみ、そして夕食はサラダ
だけという生活を始めた。
そんなM・Kさんに様々な症状が現れてきた。


<症状>
(1)お腹に脂肪が付く
(2)ダイエットをしているのに、さらにお腹に脂肪が付く
(3)吹き出物
(4)すね毛が太くなる
(5)口周りの毛が太くなる
(6)顔が太る
(7)頭痛
(8)正座をしただけなのに、足に内出血が起こる
(9)脳出血


<病名>副腎がん


<なぜ、肥満から副腎がんに?>
「副腎」は腎臓の上にあり、脂肪の量の調節など様々な役割をはたす
ホルモンを分泌している重要な器官。

M・Kさんの場合、この副腎に何らかの原因でガンが出来てしまいました。


そして、副腎がんによって起こる「クッシング症候群」と呼ばれる病に襲われたのです。
お腹や顔が太るなど、M・Kさんの症状は全てこのクッシング症候群による
ものでした。


副腎がんによって「コルチゾール」というホルモンが大量に分泌されると脂肪
細胞が異常に増殖し、お腹や顔が太っていくのです。

さらに、コルチゾールは筋肉を作るアミノ酸の働きを妨げる力も持っており、
コルチゾールが大量に分泌されると、腕や足など筋肉の多い部分は反対に
痩せていきます。

その結果、お腹や顔が太り、逆に手足が痩せた状態になるのです。
これは「中心性肥満」と呼ばれる、クッシング症候群の典型的な症状。


そして女性であるM・Kさんの口の周りや、すねに太い毛が生えてきたのは、
副腎の機能が低下し、男性ホルモンを大量に分泌したため。
つまり彼女は男性化していったのです。


重くのしかかるような頭痛は、大量に発生したコルチゾールの働きで血管が
収縮し、一気に高血圧になったことが原因。

そして正座の後にできた足の内出血。
これは増加したコルチゾールが血管を作る物質の働きを低下させ、毛細血管が
ボロボロの状態になったところに正座で圧力がかかり、血液が皮膚の下に
大量に漏れだしたためでした。

そして同じことが脳でも起こりました。
ボロボロになった血管がついに破裂。
流れ出した血液が脳を圧迫し、脳の機能が停止。M・Kさんは「脳出血」で
死亡してしまったのです。


副腎がんも他のがんと同じく放っておけば、様々な臓器に転移していく
恐ろしい病。

しかし、それにもまして短期間で死に至ってしまう、このクッシング症候群
こそ本当に怖い病なのです。

副腎がんによるクッシング症候群を多く発症するのは20代から30代の女性。
しかし、早期に発見し、治療をすれば治すことができるのです。


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