稽古場より愛をこめて

こんにちは。エレーナのアンダースタディの築野友衣子です。

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アクト青山の素晴らしいところのひとつに、豊富な資料があります。
渥美先生のころから、長い年月をかけて集められた演劇の資料、
そして、総合芸術である舞台に欠かせない、衣装や音楽。
こちらも、現主宰である小西さんが、大切に保存し、また集められてきた文化財です。

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昨日は『ワーニャ伯父さん』最後の稽古に私も参加させていただきましたが、
お芝居はもちろんのこと、客入れの音楽から、こだわり抜かれた選曲にウットリしてしまいました。

渋谷に名曲喫茶ライオンというお店があり、私は好きでよく考え事をしに行くのですが
そこのパンフレットに、「帝都随一の音響を誇る」といった言葉(うろ覚えなので少し違うかも)が書いてあります。
クラシックをたしなむ、という響きには、そこはかとなく「帝都」の面影が漂っている気がします。

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演出席で、バイオリンの音色に目を閉じる演出家の小西さん。
そこにも「帝都随一」の美意識が煌めいているように見えます。

ワーニャ伯父さんでも、的確な場所に的確で美しい音響が入ります。
それは、この膨大な資料のなかから、随一のものを選んでこられた結果でしょう。
演出家という職業を、オーケストラの指揮者に例えられる小西さん。
よく、演出席で、指揮者のような手の振りで、テンポアップや音の強弱をつけていらっしゃいます。
役者さんの音に美しく絡み合う音響。すべてが合わさって、ひとつの戯曲を奏でているのです。

ぜひ、役者陣の美しい声や立ち姿だけでなく、
選び抜かれた音響にも注目してみてくださいね。

どうぞお楽しみに!

築野友衣子

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