2017-05-12 10:56:56

自営業者(事業所得者)の休業損害

テーマ:交通事故

自営業者の休業損害算出の際の基礎収入額

自営業者(事業所得者)の方の休業損害算出に当たっての基礎収入額(事故前の収入額)は、原則として、事故前年の確定申告所得によって認定するとされています。

 

年度間で収入に変動がある場合

年度間で収入に相当な変動があり、事故前年の収入のみを基に基礎収入額を算出することが不適切であると考えられる場合には、事故前数年分の所得の平均額を採用するなどして適切な金額を算出することになります。

 

固定費

自営業者の方の場合、事故のケガのために事業を休業している場合であっても、その場合の家賃や従業員賃金等のいわゆる「固定費」の支出は続けなくてはならない場合があります。

その場合の固定費は、「事業の維持・存続のために必要やむを得ないもの」であれば損害として認められるとされています。

また、自営業者自身が休業していた場合でも、代替労働力を利用して、事業の維持・存続がはかられた場合には、それに要した必要かつ妥当な額が休業損害と認められるとされています。

 

実際には申告所得を超える収入があった場合の取り扱い

自営業者の方の場合、「実際には申告額より多くの所得があった」との主張がなされることがあります。
この場合に、実際の所得額(申告外所得)が基礎収入として認められるには、かなりの確実性のある立証が必要となります。
基本的には上記のとおり、前年の確定申告所得が基本となりますから、これよりも収入があったことを立証するのは通常は困難が伴います。

もっとも、このような場合でも、経営の状況や生活状況などから、賃金センサス(平均賃金額)を参考に、申告額を上回る基礎収入額が認定される場合も中にはあります。
特に、申告額どおりの収入では生活を維持するのが困難と思われるようなケースでは、申告額を上回る基礎収入額の認定がなされることがあります。

 

確定申告をしていない場合

確定申告をしていない場合も、基本的には上記の申告外所得と同じことが言えます。
確定申告はしていないが、相当な収入があったことを立証できれば、賃金センサス(平均賃金額)を参考に休業損害が認定されることもあります。

 

現実の減収がない場合

事故後も現実の減収がない場合には、相手方保険会社等から「損害が生じていない」という反論がなされることがあります。
しかし、例えば妻や子などの家族の協力により減収を免れた場合や、事故前の営業活動の成果により事故後の休業中も所得の減収がなかった場合、事故後に所得が増加していても、事故前に受注した仕事をしていたためであった場合等には休業損害が認められていますので、このような事実を立証して休業損害を確実に得ることが必要です。

 

自営業者の方の場合の休業損害についてのご注意点まとめ

 

※保険会社が事故前年の所得を基に計算した賠償額を提示してきても、年によって所得に変動がある方の場合には、数年分の平均額を基礎収入額として計算した方が休業損害賠償額が増額する場合がありますのでご注意ください。

 

※申告外所得がある場合には、種々の証拠により現実の所得を立証する必要がありますので、専門家である弁護士にご相談ください。

 

基礎収入額をいくらと計算するかによって、賠償額合計もかなり変わってきますので、自営業者の方はぜひ一度弁護士にご相談ください。

 
 

愛知市民法律事務所

 
ご相談ご予約TEL:052-529-6155
 

 

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