自分の直近のルーツがここにあります


自分のことを知ろうとすると  たどりつかざるを得ない人


そのいのちが終わるまでに私は何をもらうんだろう



今日  本人に告知がありました

ほんとうは二日後の予定で  家族としては心は揺れた

知らせていいものなのだろうか


夏の4時間におよぶS上結腸部の切除
半年かけての消化能力の復元を遂げたと思った矢先

自分で検査を受けると言い出した胃

二度目の切除に臨み


開けて見つかった別のものはおびただしく


もう取らない方がいいといわれた

帰ってきて
眠り続ける


痛まない

ただただだるいようす

息が苦しい  ああしんどい

おきていられるときは
冗談を言って笑っている

家がいいんだ
母が好きなんだ


人と接するよりも 本を読んだり 歴史や地理 経済に触れるのを好んだ

石橋をたたいても渡らない慎重さは しばしば母の気を荒らした

だけどその判断は 代案を立てないということを除いては
ほぼ的確に物事をみつめてもいた



貧血だったんだろうけれど  いま痛みよりも朦朧とする意識の中で
 


もう今はないはずの景色が見えるその自然な

徐々にむこうに進む見え方には


純粋な人間性が見える


こんなに素直で礼儀正しくまじめな人だったのかと思うほど

愚痴も泣き言も言わず感情も出さずただただ

まじめに食事をして薬を飲み トイレに行こうとする
ただただ眠り 客人が来たら挨拶して迎え出ようとする

武士の出だ


私は言ってしまう
ときどき

「それは武士道に反する」
なぜかはわからないけど
誰にも教えられた言葉ではないけれど

時々そういうことを言ってしまうことがある

それは今生きる私が言ってるのではないようにも思うことがある







最後に私がこの命にもらうものがある


明日帰ります