アジア人差別に巻き込まれた東本願寺LA別院(短信) | 歴史ニュース総合案内

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 米ロサンゼルスの東本願寺別院が2月25日に放火された。寺は焼けず、灯篭や窓ガラスへの被害にとどまったが、アジア人差別から日系も無縁でないことが分かる。

 この別院は大谷派の北米開教区の拠点として1921年建てられ、1976年に現在地のリトル東京に移転した。事件を受けて、別院の伊東憲昭輪番はホームページに共生の必要性を説く声明を出した。声明では、放火が広く報じられた背景を増大するアジア系への憎悪犯罪に求め、親鸞上人の呼びかけた同朋社会の顕現を望んだ。

 

 米国青年文化の暗黙の規律によると、普段は対立している白人と黒人は、アジア人を相手にする時だけは一致団結してモテないガリ勉と馬鹿にするために連帯するという。共通の敵をつくるのは定番の団結術でも、何とも辞めるべき厭らしい連帯だ。