miunaプロデュース「女の子と振り返る『どうして演劇なんだっけ』」 | 髙橋麻琴 非公式ブログ『よかれとおもって大惨事(仮)』











いつもの張り紙。その内容はさておき、アングラ映画の上映告知めいて(渡辺文樹監督作品とかね)トラウマを刺激されるのでコワイ。





つうことで、観てきました。「女の子と振り返る『どうして演劇なんだっけ』」、脚本演出はguizillenの佐藤辰海さん。劇団ゴールデンタイム!の舞台に出ていたのを観ましたし、何度か会ったこともあります(胡乱な情報)。
最近はアクアマンにそっくりです。名前に海ってついてるから実際アクアマンなんでしょ。





略して『おふえん』だそうです。なんでも4文字に略する文化が好きではないので、まあなんでもいいや。

最初から4文字のタイトルにすりゃあいいのに。ファンが愛称として呼びあうぶんにはどうぞと思うけど、作家が必死こいて考えたであろう作品タイトルを運営の都合で略して売り出されるの悔しくない?失礼じゃない?

『タイトル長いんで略してこうでーす!ハッシュタグもつけてね!』とかいう文化がはやくほろびてほしい。そういう演劇ほろびてほしい!!!!!





演劇に打ちのめされ絶望し、いよいよ命をも投げ出さんとした老若男女がなんか勢いで団結し、自身を悩ませ苦しめた演劇という文化そのものを滅ぼすためにいまひとたび舞台へあがることになるという、演劇への愛や情熱を逆説的に描く物語。たぶん。
演劇に限らず、ここ2年の間抑圧をうけ続けたライブエンタテインメント各種とそれにまつわる人々の声を代弁しておりました。そりゃ腐るよな。おれも腐ってるよ。

とまあ、そういう作品だけにぼくも演劇への憎悪を燃やして観劇に挑みました。20年ちかくやってるとそこそこひどい目にあったりあわせたりしてますからね!ほろびてほしい!!!!!!!!






通常エンディング回という、全16公演のうち3公演しかない回を観ました。通常という言葉の使い方を改めて考えさせられるあたり、佐藤辰海作品はアナキズムとかなんかがうまくいいかんじにアレなんでしょうか(考察の放棄)。

毎号『特別定価』ってかいてる雑誌もあるし、そこまで珍しいことでもないのか。『毎日全品半額!』とかやってたパン屋もあるしな。あいつ怒られてなかったっけ?

まあなんとも寂しく終わってしまうんですけど、伝えたいものは全部出しきったあとのアウトロなので、いいんじゃないすかね。さんざ恨み辛みをぶつけた演劇に救われちゃってもなんかね。そういうのがあるからね。ワビサビがね。





ダブルキャストのBチーム版を拝見しました。キャスティングはかなりハマってましたね、マンガみたいだったもん。スッーと入ってきた。

メインキャストの女の子たちはもちろん、脇を固める男性陣の仕事ぶりがすごかった。
かずまくんが出てくるくだりとかほぼ全部面白いんだけど、よくよく考えたらいらないシーンばかりなのがまた悩ましくてね。ラウドマンとかどんな気持ちでやっていたのか。
『これ以上短くできません』つってこのシーン残したのかよ!ってツッコミたいんだけど、ぼく自身そういうシーンが大好物なので、佐藤辰海演出には信頼があります。牛とか最高だったね、すわマイケルのデンジャラス・ツアー再来かと震えたもん。
もっとみんな誉めたり讃えたりしたいんだけど(羽田さんのパワーアクトやあやねさんの関節の動きとか、キル子のシャウトもサチの爆死シーンも好きだし、でもやっぱり牛)、指がつるのでやめます。口頭できいてください。







作品そのものはじゅうぶん堪能いたしましたが、これからの演劇だとか演劇の未来だとかってのを思うとどうにもなあ……とつまらぬことを考えだす次第。やはり演劇をとりまく環境はまだまだ難しい状態だとおもう。

よく訓練されたお客様は気にとめないのかも知らないが、この規模の施設・設備で3500円(税込・手数料は客負担)はちょっとね、足元見すぎというか、まあ採算ギリギリのラインなのかも知れないけれどもさ。ぼくはよくない客なのでこの辺を気にせずにはいられないのだ。

当公演に対してのクレームというわけでなく、ぼく個人の線引きに『パイプ椅子に出せるのは3000円まで』とかそういうのがあるんです。腰とケツがしぬからね。


(ここに昨今のイベントにまつわるお金と運営についての話をなんとなく書きましたが、誰もしあわせにならないので消しました。おとなになるってかなしいことなの)


もちろん商売ですから、そのうまい落としどころをね、まだまだ模索していかねばならないわけですよね。まじで何年模索してんだ、もともと演劇なんてそう儲かる分野じゃあないのに。つうか演劇で稼いでるひとホントにいるの?詐欺師では?

どうして演劇なんだっけ、とあらためて自他に問いながら生きのびたいですね。おのれ演劇!この世界も演劇に破壊されてしまった!!!!!(鳴滝)










アッ忘れるところだったよ!

ぼくが観た14日13時Bチームの回では、出演者の藤尾みほさんが喉を破壊されて欠場、代役にAチームから青柳糸さんが出演されました。おのれ演劇!みほさんの喉も演劇に破壊されてしまった!!!!!!!()

劇中でいとさんがマスクを外す際に『あれ、みほさんじゃなかった』とおもう瞬間がいくつかあったので、みほさんが作りあげたなんかはあの舞台上にたしかにあったのでしょう。

急遽休んでしまったことはもちろん、自分がいなくてもなんとかなってることも悔しいでしょうけども、それらが乗ったぶん残りのステージで一層ハジけられることを願っております。ご安全に!







あとはあれだ、やむなく降板せざるをえなかったうちのかみさんこと年代果林さん。

こればかりはもう仕方ないのだけど、ああこのあたりに居たんだろうかなって考えながら観ておりました。

関係各位にはご心配ご迷惑おかけしました。年代をかわいがってくださりありがとうございます。我が身のことのようにうれしいです。

どうかまた善い巡り合わせがありますように。せめてそれまでは演劇にほろびないでいてほしい。いきろ演劇。