さて、Japan Chamber Music Society(JCMS)という団体を金管五重奏として発足させてからはや2年、名前にある通り金管に限らずに色々な形の室内楽を通して、新しい室内楽の可能性をレパートリーやプロジェクトを通して広め、活性化させたいという主旨の元にどうアイデンティティーを確立して行こうか、色々模索して壁にぶつかりました。でも、ようやく光が見えてきました。


今回の企画は、普段あまり演奏される機会のない室内楽レパートリーを第一線で活動するオーケストラ、室内楽、スタジオ等の音楽家が集まり、単なる寄せ集めに終わらない質の高い音楽と、曲の背景等も分かりやすく解説するプレ・コンサート・レクチャー等も含め、教育的観点からも明確なプレゼンテーションを行います。


JCMS Project-混合室内楽I「ヴィジョンとエスプリ」

4月21日(木)1830開場1900開演

入場料一般4000円(前売り3500)、大学生以下3000円(前売り2500)です。

■杉並公会堂小ホール

(最寄り駅:JR/東京メトロ丸ノ内線荻窪駅)

東京都杉並区上荻1-23-15

0332200401

http//www.suginamikoukaidou.com/

です。まだサイトに演奏会の情報はアップされていませんが、近いうちにJCMSのサイトとブログを作ろうと思います。


プログラムは

■ストラヴィンスキー:八重奏
■リゲティ:6つのバガテル
■イウェイゼン:トランペット、ヴァイオリン、ピアノの為のトリオ
■プーランク:仮面舞踏会

です。


第一次世界大戦後の音楽界に広まった前衛のムーヴメント、従来のロマン的表現が奔放、飽和状態になったときにその限界を感じ、古典的手法によりシンプルに音楽を表現する事により本質を引き出さん、とした新古典主義、その代表的作曲家の1人であるストラヴィンスキーの八重奏。

また、サティのリーダーシップの元に集まった六人組の1人、プーランクの「仮面舞踏会」(1932)。個人的にこの作品が書かれた時期のプーランクの作風は彼の活動を通して最もツッパっていた気がします。ドライユーモア、ミュージックホールやジャズの影響も多分にあります。


リゲティの「6つのバガテル」ですが、1951~53年にかけてピアノの為に書かれた作品の中から6曲を抜粋してリゲティ自身が木管五重奏の為に1953年にアレンジしたものです。最初の曲には4つしか音が使われてないです(C、Es、E、G)。でもそれを組み合わせて非常に躍動感のある音楽になってます。ブダペストアカデミーを1949年に卒業し、その後は先人のバルトークやコダーイのように民族音楽に興味を持つと同時にこのような前衛的作品も手掛ける面白さ、興味深いです。


イウェイゼンのトリオですが、セント・ルークスにいる友人のフクハラ・マユキさん、クリス、ピアノのコレット・ヴァレンタインの為に書かれた1993年の作品です。ミルトン・バビットやガンサー・シューラーと言った作曲家に師事した1954年生まれのエリック・イウェイゼン(注意エワイゼンではありません注意ポーランド系の名前を短くしたとされる)なのですが、ハーモニーで云えばラヴェルの初期の作品、特に弦楽四重奏の二楽章に雰囲気は似ています。ただ、その中に潜む唐突な不協和音などが屈折の要素を聴きやすいとされる作風の中に感じさせます。1973年にチェロ・ソナタを書いたとされていますが、もしそうなら彼19歳の時の作風を聴いてみたいものです。


これらの人々の奥に潜む想い。これは「この人はこうだ」とレッテルを貼るものではないです。時空間に流れる音楽を感じて先入観なしに、想いを馳せてほしい。

そんな演奏会です。是非お越しください!チケット予約のお問い合わせは私の方までメッセージをお願いします。


メンバーです。


ストラヴィンスキー

fl.秋山君彦
cl.小林聡
fg1. 宮崎寿理
fg2.安本久男
tp1.ヒロ・ノグチ
tp2.佛坂咲千生
tb1.佐藤洋樹
tb2.黒金寛行


プーランク

ob.藤井貴宏
fg.宮崎寿理
cl.小林聡
tp.ヒロ・ノグチ
perc.野本洋介
p.城綾乃
vl.古川にな
vc.小貫詠子
chant.藪内俊弥


リゲティ

fl.秋山君彦
ob.藤井貴宏
cl.小林聡
hr.下田太郎
fg.宮崎寿理


イウェイゼン

tp.ヒロ・ノグチ
vl.古川にな
p.城綾乃



さて、Japan Chamber Music Society(JCMS)の創始メンバー、金管五重奏の演奏会は私を含めてメンバーの予定調整が難しいので秋または冬、年内に行う方向で進めようと思います。こちらも合わせてよろしくお願いいたします。からきょうと合わせて、いよいよJCMS、本格始動です!