○ 2017年11月5日夜の部
● 三吉演芸場
映画「下郎の首」は、無学な時も読めない下郎が主人公
封建時代の主従関係の非情さ残酷さによって死んで行く下郎
ラストがとっても暗く
これを大衆芝居にしたら、客の殆どは
暗澹たる気持ちで帰るんじゃねぇかと・・
それが劇団花吹雪がやったら
どうなるんじゃろうかと
そっちの方が興味津々だったのでござんす
と・こ・ろ・が・・・
あっしは大衆芝居「槍供養・下郎の首」は未だ観たことがなく
映画「下郎の首」の大衆芝居版と勘違いしていたのでござんす
観て初めて全く別物と気付いたのでござんした
なおこの芝居は
春之丞、京之介にとっては初演で
先代京之介(現・京誉)から指導を受けたようでござんす
春之丞はこの芝居を劇団荒城で観たようでござんすが
荒城では春之丞が演じる役が
メッチャ悪く、かなーり憎たらしい役だったようでござんす
はたして、花吹雪版では・・・
【あらすじ&情景】
千葉家の槍持ち奴の六助(彩夜華)は
故郷の赤穂に主人と帰る途中で
家紋が同じ陣屋の侍に間違って槍を渡してしまう
六助は慌てて返してくれるよう頼むが
侍たちに追い返されてしまう
千葉家用人(京誉)は頭を下げて槍を返してもらおうとするが
碁に夢中の田村家当主(春之丞)から恥辱を受け
さらに、槍を返して欲しくば
その下郎の首を持って来いと言われ追い返される
●春之丞は憎々しい悪役か!
と二枚目に異常に嫉妬心を持つあっしは喜び
舞台に魅入ったのでござんす
千葉家の当主(京之介)は悔しさを堪えながらも
槍よりも家来の命が大事だと六助に言う
●かなり難しい言葉で忠義の大事さについての台詞があるが
あっしにはさっぱり??
ただ、家来は主君に忠誠を尽くし
主君は家来に思いやりを・・・
と言ってんじゃねぇかと見当はつきやしたが・・
●それにしても
訳の分からん難しい日本語を
何度も言わなければならねぇ役者は大変だなぁ~
しかし、六助は主君への忠義の為と割腹してしまう
首を田村家に持って行き槍を取り返してくれと遺書に書き遺し・・
六助には故郷に残してきた両親と許婚者がいたのでR
赤穂はもう直ぐの所まで来ていたのでござんす(>_<)
怒りと悲しみでいっぱいの千葉
●京之介の演技に拍手と涙が客席から・・・
京誉の演技がきっちりと舞台を骨太に・・
首を持参し
田村家を訪れる千葉
丁重に千葉を受け入れる田村
槍について話す千葉
田村は槍は下郎の首と交換だった筈と答える
千葉は首を田村に差し出す・・・
驚く田村は槍を千葉に返すが・・
●両座長の格好良い大見得に大きな拍手が・・
ラストは涙と拍手で・・・
決して気分が悪くなる芝居ではござんせん
幕間の短い50分程度の芝居
いずれ、どこぞの劇場かセンターでご覧くだせぃー