衣擦れの気配 | 1.5人称の恋
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1.5人称の恋

私たちの時間は、いつのまにか26年になった。
絡んだ小指くらいでつながる遠距離の婚外恋愛は、焦がれすぎても続かない

若かったから

 

なんでも理屈で答えを出そうとする。意味を見出そうとする

(いや、今もその癖が抜けないところは少々と言わずあるけれど)

 

 

逢いたかった、に理由などないことなどまだ知らぬ頃。

 

 

先生は身体を離し、ぽんと頭に手を置くと、行こうかと促した

 

言葉もなく、次の約束もない

何も変わらぬ。そんな静寂だけを残して、先生は部屋を出た。

 

 

後姿を見ながら、私の身体にはただ、包まれた抗いようのないぬくもりだけが残る。

それは数年前ここにいた自分の「あの頃」を呼び起こす。そして今の自分に葛藤を生み私を突き動かしていくことになる。

 

 

 

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私は、男女関係なく言葉を深く深く交わし積み上げて関わっていくことが多い。

 

相手の言葉には相手が宿る、相手の深層が言葉尻に出る、と思っていて。感情の動きにはとても敏感。

解ろうとしなくても見える、気づくんだもの、というほうが近い。そして人の放つ気配は言葉以上に雄弁に本音を語る。

・・・そして気づかないふりや、ごまかされたふりもとても上手に出来る。ごまかせた、とホッとした気配を見抜くのは容易い。

 

 

ま、これは私の持つ独特の気質

HSP(Highly sensitive person=人一倍敏感なひと)がゆえ、ってのもあるかな。


やっかいなことに私は多分

HSS(High Sensetion Seeking=刺激探求型)

も持ち合わせていると思うので、ますますめんどくさい。

2つ持ってる人は人口の6パーセントですって。ブレーキかけながらアクセル全開、真逆な性質を身体の中で飼っている。もーめんどくさい。自分で自分を見て思うんだから、ま、ね。

 

でも。これはこれで。

若干生きにくくはあるけど、喜びや幸せは、毛穴と同じくらいある感受性のアンテナのおかげで一粒万倍で感じられるというギフト的な要因もあったりするから。ま、いいんですけど。変えようが無いしね。

 

・・・あ、HSP・HSSについて詳しいことをお知りになりたい方は、とりあえずwikiででも

 

 

元に戻します。

 

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「何かありました?先生と」

 

 

車に乗るやいなや、こちらを見る由子の目はキラキラと興味津々。

 

 

「聞いてたでしょ、そんな色っぽい話あった?」

 

 

「だってあんなにラブラブな感じだったじゃないですかー」

 

 

「どこが」

 

 

「まっちゃんの、あんな顔見たこと無いですもん。あんな照れたみたいな」

 

 

「わざとわざと。リップサービスみたいなもんです。実際何が出来るというの?あんな短時間に」

 

 

「それは・・・そうですけど。もー面白くないなぁ」

 

 

 

 

この程度の冷やかしは、おそらく今頃部門でも残り香のようにあることだろう

 

冷やかし以上に実は深い、深いはず。

その事実は決して知られてはならないことだと身体に残る衣擦れの気配を思い出しながら由子の問いをはぐらかしていった。

 

 

 

 


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