
富士山の噴火を想定した静岡・山梨・神奈川の3県の新しい避難計画がまとまりました。
噴火前に親戚の家や宿泊施設などへ自主的に分散して避難するよう呼びかけたり登山客を下山させたりするほか、隣接する市町村への避難を取り入れることで、「逃げ遅れゼロ」を目指すとしています。
29日に公表された新たな計画によりますと、避難の対象となるのは静岡・山梨・神奈川の3県27市町村、80万人に上ります。
住民に対しては、噴火の前に火山性地震が増加するなどして気象庁が噴火警戒レベルを引き上げた場合などに、親戚の家や宿泊施設へ自主的に分散して避難するよう呼びかけるとしています。
また避難が必要な地域を6つに分けて、それぞれ移動手段や避難の開始時期を設定し、市街地では住民が車で一斉に避難すると深刻な渋滞が発生して避難が間に合わない可能性があることから、避難に時間がかかるお年寄りなどを除いて、一時的に安全を確保できる場所へ「原則、徒歩で避難する」という方針が改めて示されました。
また、登山客に対しては噴火警戒レベルが「1」の段階でも、気象庁から臨時の情報が発表された時点で下山を指示するとしています。
これまでの県内での避難という考え方も見直され、隣接する県外の自治体への避難も可能として3県が受け入れの調整を行い、避難を短時間で完了させるとしています。
このほか、病院や高齢者施設などで避難計画作りを進めることや、子どもの対応についても示され、学校や幼稚園などでは噴火警戒レベルが「3」に引き上げられた時点で速やかに休校とします。
協議会では今後、地元住民への周知などを進め、「逃げ遅れゼロ」を目指すことにしています。