親父と息子の口喧嘩(初の国産量子コンピューター 無償公開) | 親父と息子の口喧嘩

親父と息子の口喧嘩

ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

親父「スーパーコンピューターをはるかにしのぐ性能が期待される次世代のコンピューター、『量子コンピューター』の初の国産機の開発に成功したと国立情報学研究所やNTTなどのチームが発表したそうだ。

複雑な組み合わせを解く問題でスーパーコンピューターの100倍のスピードを発揮したということで来週から世界中の研究者が利用できるようインターネット上で無料公開するということだ(NHK NEWS WEB 11月20日 19時14分)。」

 

親父「量子コンピューターは、光の粒や電子など量子と呼ばれる極めて小さな物質の世界でおきる物理現象を応用した次世代のコンピューターだ。

カナダのベンチャー企業が6年前、世界で初めて販売を始め、グーグルやIBM、マイクロソフトなどの大手IT企業も開発を進めるなど世界中で熾烈な競争が展開されている。

初の国産量子コンピューターの開発に成功したと発表したのは、国立情報学研究所やNTT、それに東京大学など国のプロジェクトチームだ(同上)。」

 

 親父「従来のコンピューターでは、半導体の電圧で「0」か「1」の情報を表現し計算処理を行うが、この量子コンピューターでは、全長1キロのループ状の光ファイバーに光の粒を大量に入れ、この光の粒が「0」であると同時に「1」でもあるという量子力学の特殊な物理現象『重ねあわせ』を応用することで超高速の計算を行う(同上)。」

 

親父「チームでは、送り込む光の粒を2000個にまで増やし計算能力を高めることに成功した結果、10の600乗以上という宇宙空間に存在するとされる観測可能な原子の数よりも多い組み合わせの中から最適な組み合わせを選ぶ問題をスーパーコンピューターの100倍のスピードで解くことに成功したということだ(同上)。」

 

親父「この能力を使えば、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムで観客数万人が同時にスマートフォンなどの無線LANを使った場合近隣の基地局にどうつなげば混乱を起こさないかや、大都市の交通渋滞の解消、病気の原因となるたんぱく質に結合してその働きを抑える物質を膨大な数の化合物から探しだし画期的な新薬を開発することなどが期待できるということだ(同上)。」

 

親父「プロジェクトチームによると国産の量子コンピューターの開発に成功したのはこれが初めてで、今月27日から世界の研究者が利用できるようインターネット上で公開し、利用方法を広げるためのソフトウエアの開発や性能の向上を目指すことにしているそうだ。

スタンフォード大学名誉教授の山本喜久プログラムマネージャーは、『今回公開する量子コンピューターの性能は現時点で世界最高峰だと自負している。世界に公開することで改善点や新たな利用法を見つけ出し、量子コンピューターを日本のお家芸としたい』と話しているそうだ(同上)。」

 

親父「量子コンピュ-タ-のもう一つの利点は消費電力の軽減だ。

現在使われているコンピューターは、半導体の電圧の切り替えなどで情報処理を行うため、計算量が増え大型化するとそれだけ消費電力も大きくなる。

大手IT企業も巨大化したデータセンターなどの消費電力量をどう削減するのか課題に直面している。

これに対し、量子コンピューターは量子の『重ね合わせ』状態を作り出すために、コンピューターの回路を絶対零度近くまで冷やしたり、光の信号を発生させたりする際に電力が必要になる程度で、消費電力ははるかに少なく済むという

プロジェクトチームの山本喜久プログラムマネージャーによると、今回の国産量子コンピューターの単位時間当たりの消費電力は1キロワットほどで、計算能力を比較したスーパーコンピューターのおよそ100分の1だということだ(同上)。」

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