親父と息子の口喧嘩(トランプ次期大統領「自動車や他の企業も米国内で製造を」) | 親父と息子の口喧嘩

親父と息子の口喧嘩

ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

 

親父「トランプ次期米大統領は15日、ツイッターに「自動車会社や他の企業も、われわれの国でビジネスをしたいのであれば、米国内で製造を始めなければならない」と投稿したそうだ(産経ニュ-ス2017.1.16 00:27更新 )。

トランプさんはこれまでも、海外工場で自動車を製造するフォード・モーターやゼネラル・モーターズ(GM)、トヨタ自動車などを批判していたな。

政治がビジネス活動に口を出すことが、至極当たり前の時代がやって来たんだよ。

安倍さんも、少し見習ってほしいな。」

 

親父「それにしても、日本の企業には本国第一という意識がなさすぎる。

円安に大喜びするが、日本は本来輸出だけで飯を食っている国とは違うだろう。

内需を大切にしなければならない国柄だ。

輸入された高い生活必需品に泣く庶民は一体どうなるんだ。

彼らは節約に走るだけだ。

これでは、デフレ脱却は夢のまた夢だ。」

 

 

息子 「このトランプ氏の考え方だけども、素人なりの疑問があるけどね。

 

輸入された物品というのは、人件費分が安い場合がほとんどだろう。海外に拠点を作る理由は、まさにそれなのだからね。

 

そうすると、『アメリカ国内で作る→その分価格が高くなる→物価が上がる→消費の伸びが鈍る→企業業績が振るわず→税収が下がって賃金も停滞』というような流れにはならないだろうか?

 

まだ日本はよい。マイルドなインフレに向けて、まだまだ余裕がある状況だ。だけども、アメリカはそろそろ消費者物価指数もプラス2%目標に近づいて(2016年11月は1.6%)きている。

 

そんな状態で、こんなことをしてもよいのかなぁ。確かに雇用は増えて、一時的には活気がでるだろうけど。

 

それから、(良いか悪いかは置いておいて)安倍首相ほどビジネス活動にお願いをする人はいない。

 

毎年賃金を上げてくれと、直接頼んでいる。政策と人口比率で、失業率は改善され、そこで賃金の上昇を促し続けている。

 

まぁこれまでも、裏で圧力をかける首相はたくさんいただろうけどね。」

 

 

親父「私が安倍さんにお願いしたいのは、『対中投資は控えて、その分を国内に投資してくれ。』と企業に声ぐらいかけてほしいんだよ。

何時侵略してくるか分からない国に平気で、工場を新設する企業経営者の頭の中を一遍覗いてみたいよ。」

 

親父「日銀は毎年80兆円もの資金を市中銀行に流し込んでいるのに、

その殆どは日銀当座預金に残されている。

国内の融資に回っていない。

ある大手銀行は昨年、中国の国有企業、中国長江三峡集団に8億ドルを融資したそうだ。

これは、邦銀の中国企業に対する1回の貸し出しでは最大になるとのことだ。

何ともはや、言葉もないね。」

 

 

息子 「三菱東京UFJ銀行だな、それは。

国民の預金が、そういうところに融資されているのか。

 

この三峡集団は、その資金をブラジルにおける水力発電所の経営権取得に充てるそうだ。

 

いろいろ事情もあるだろうが、なんとか直接ブラジルへ投資して欲しいな。」

 

 親父「最近経団連の会長が、政府に社会保障費の見直しを提言していたが、

デフレ脱却が至上命令である筈の現今、緊縮財政を政権に迫ってどうするんだよ。

賃上げは渋るは、年金は減らすはで、どうして景気が回復するのだよ。

とても正気の沙汰とは思えない。」