親父と息子の口喧嘩(世帯の所得格差、最大に 年金頼み、高齢化影響) | 親父と息子の口喧嘩

親父と息子の口喧嘩

ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

 親父「厚生労働省は、世帯ごとの所得の格差が平成25年に過去最大となったとの調査結果を発表したそうだ(産経ニュ-ス2016.9.16 08:57更新)。

厚労省は年金収入に頼る高齢者世帯の増加が主な原因とみているようだな。

社会における所得分配の平等・不平等を計る指標としてジニ係数があるが、税金の支払いや公的年金などの社会保障給付を含まない『当初所得』のジニ係数を見ると、昭和58年以降上昇が続いているとのことだ。

平成25年は、前回(平成22年)よりも0.0168ポイント高い0.5704となったそうだ。

お前さんも知ってのとおり、ジニ係数は0から1までの数字で示され、0に近づくほど平等、1に近づくほど不平等で格差が大きくなったことを示している。

良くない傾向だな。だが、高齢化が続く以上、この流れは当分続くだろうね。

社会全体が、『貧すれば鈍する』空気に包まれる事態は避けねばならないな。」

 

親父「当初所得から税金や社会保険料を差し引いて、公的年金などの給付を反映させた所得のことを『再配分所得』というのだけど、このジ二係数は前回から微減して、0.3759

となったそうだ。

また、再分配後の格差改善度は34.1%で、過去最大となったとのことだ。

これは、年金を受け取る高齢者が増えた分、再分配効果が強く出た形だな。

世帯ごとの平均当初所得は年392万6000円で、前回よりも約12万円も減っているぞ。

厚労省は高齢化と単身世帯の増加が主な要因と分析しているな。

若者と老人の単身世帯と年金頼りの老夫婦の世帯が、だんだん取り残されていっているということなのかねえ。

世界的に見れば、日本のジニ係数は、再分配前後共に、OECD平均を上回っているそうだ。」

 

親父「『OECDワーキングレポート22』によれば、日本は世界の先進国のなかで、貧困率No.5にランクインされているぞ。

貧困率とは、『国民全体のうち、所得が低く経済的に貧しい状態にある世帯の割合を示す指標』のことだ。

日本の貧困率は15.3%にものぼっている。

この値は、24ヵ国の平均である10.4%を大きく上回っているじゃないか。

そう言えば昔、『1億総中流』という言葉が流行ったが。その頃に比べれば、今の日本は別世界だな。」

 

息子 「ちょっとこの貧困率であるとか、再配分所得におけるジニ係数の動きなどは、もう少し調べてみないといけないが、どうもこの話はまたまた『反日的』な匂いがするな。

 

日本は酷い国で、愚かな民族だという宣伝パターンのやつだ。

 

貧困?日本で? 他の先進国に行ったことがあるのか!?生活を見たのか? 行ったとしても自分の眼で彼らの生活や物価を見たか?

そう言いたいな。俺は世界の色々な国に住み、旅行もしてきたが、こんな日本ほど良い住みやすい国はない。

ただ、生まれてずっとそれに慣れて調子に乗った輩が、この国は悪い国だと喧伝するのが好きなのには困る。メディアも含めて、だ。

 

先日、一つびっくりした話があった。NPO地球村とかいう反日団体のサイトだ。日本はゴミを世界一多く出す(悪い)国だと書いてあった。

理由は、焼却炉の数が世界でダントツに多いからだそうだ。(゚Д゚;)

 

すぐにネットで一人当たり、と合計のごみの排出量を調べてみたら、やはり先進国でも優良な国だった。

以下はOECDによる「一人当たりの都市ごみ排出量」のグラフだ。

 

どこが日本が世界一多いゴミを出す国なのだろうか??その理由が焼却炉が多いからって。

https://data.oecd.org/waste/municipal-waste.htm 典拠OECD

 

『焼却炉の数が多い→ゴミが多いに決まっている→ゴミ世界一日本』

これが彼らの論理だ。似たような論理破たんがあるな。

 

『憲法変更→戦争好き』というあれだ。唱える人々が同じだと簡単に判るな。

 

『日本は悪い人々の国で、恥ずかしい国で謝りつづけないといけません!』と、嘘を我々の世代に教えてきたような反日組織には、もう飽き飽きだ。

 

この貧困率に関しても、近いものを感じる。

論理破たんの記事 ネットワーク地球村「5分でわかるゴミ問題 

 

 

息子 「さて、その件の『貧困率』とやらについてだ。ちょっと見てみたら、思った通り、これはちょっと意図的に曲げられた数字のようだね。

 

まず、貧困という響きがおかしい。もちろんいわゆる一般的な『貧困』から想像しがちなのは、これとは違って絶対的な貧しさだよね。これは、国連(UNDP)の『人間開発報告書』による、1日1ドル(約100円)以下で暮らす人々のことだ。

 

もちろん、親父も含めてメディアも指摘する15.3%が一日100円で暮らしているとは考えられない。どうも反日派は、こういうイメージで、日本を悪い国に仕立て上げたいようだ。

 

そしてまだまだ話は続く。このデータの貧困率は、相対的貧困と呼ばれるもので、手取り所得から求められるある割合のことだ。式はややこしいけども、問題は常にある程度存在するような式ということなんだ。

 

つまり、超金持ちクラブ(例:近所のロータリークラブ)なんかでも、常に数%は相対的貧困が居ることになる。例え、その人たちが年収数千万円でも、数億円でも、貧困と呼ばれることになるね。

 

式(どうでもいい):等価可処分所得の中央値の半分が、全体に占める割合

 

日本語の貧困というのが、英語の「Poverty」とニュアンスが違うのか、日本ではそれを貧困とは呼ばないね。一人当たりのGDPが1100万円(!)を超える超金持ち国家ルクセンブルク。

さらに北欧並みに所得格差が低いこの国でも、なんと8%ほどの『貧困』がいることになっている。この8%も相当な金持ちだと思うけどねぇ、普通は。

 

ということで、この変ないわゆる「貧困」数字を使うことが、おかしいことか判ると思う。

 

そして、なんとびっくりすることに、この「貧困」数字の基礎になる、所得には、その人の所有する『預貯金』と『不動産』が入れられていない!!

 

これだと、もしお年寄りで退職金や積み立てた預貯金があって、持ち家があって、という資産がある人々も、現在は年金だけが所得なので、貧困となってしまうらしい!

 

おかしくないか?それが貧困かな?それで、貧困率が高い日本は悪い国だ、と騒ぐのは、一部の人間の扇動じゃないか?

 

これでは、財務省が主張する「世界一の資産は持っているが、それは置いておいて(売らないけども)、借金が莫大だから日本経済は破たんする!」という理論と同じだね。

 

そして知っての通り、共産党や反日派というのは、貧困を煽り立てて、票や金を稼ぐ仕組みで運営されている。つまり、貧困層というを、できるだけ多く多くするのが、彼らの常套手段なのだよね。

 

そうなると、この勘違いしやすく、おかしな数字「貧困率」が、彼らの「飯の種」となるという訳だ。