赤マント

 

この柵もない駅のホームでは 君の前にすら立てない

でも信じたい バカを見るくらい

滑り込んで来る最終電車に また後ずさるよ

 

あの真っ赤なマントさえ ひらりとひるがえしたなら

月さえも逃さない重力にも勝てそうな気がした

賢くなったのか それともただ汚れたのか

今じゃ7秒後の未来さえ信じ切れないよ

 

名前も知らないタクシードライバーの迷走じゃ俺は眠れない

でも信じたい 腹の底から

Gがかかるような急発進に「もうここでいいよ」

 

端から見ればそう とある日の午後のバッドニュース

昨日観た映画よりよっぽど現実離れてるな

もしも明日あなたにその悲劇が降り掛かったら

人を憎まずに 罪だけを憎めますか?

 

この柵もない駅のホームでは 君の前にすら立てない

でも信じたい バカを見るくらい

滑り込んで来る最終電車に また後ずさる

 

必ずしも また陽が昇り 君に会えるとは思わない

でも信じたい 目に映るすべて

滑り込んで来る最終電車に また後ずさる でも後ずさる

最後尾から なお後ずさるよ