あべいすとを始めるずっと前に出会った
小学5年生の男の子がいました。
その男の子は難病を抱えていました。
当時は介護保険制度がやっと始まったばかりで、
障がい者制度は全然整っていませんでした。
男の子の一日は起床して、ベッドから車椅子へ
ご両親に抱えられて移動する。
お出かけする時は車椅子から車に抱えられて乗車する。
お風呂に入る時も抱えられて一緒に入浴する。
注入が終わると車椅子から抱えられてベッドに移動する。
あべいすとが開設してからも10年近く同じ時を過ごしました。
ご両親のこの上ない愛を受けて、少年は成人を迎え、青年となりました。
しかし、青年は30歳という若さでこの世を去りました。
当時、お父さんが話されていた言葉です。
『この子は優しいから、お父さんもお母さんも歳なんだから
もう無理せず体いたわってと、言ってくれているんだろうね』
『安部さん、この子達や親御さんが安心して集える場所作ってね』
そして、高校1年生で重度のハンディキャップを抱えた青年との出会いが
私の背中をどんと押し支えてくれる事となりました。
沢山の愛情を受け、すくすく育ち、通常のベッドでは一杯になるくらいでした(^-^;
青年は、ある時気管切開する事となり一部医療ケアが必要な状態となりました。
そうすると、一気に受ける事ができるサービスが減りました。
それからの日常の殆どが、親御さんのサポートで過ごされる事となりました。
その青年が丁度1年前の6月にこの世を去りました。
お母さんから
『沢山の人が笑顔で通える場所を作ってね、子供も天国でお応援しているから』
と言葉を頂きました。
この時、私の中でもやもやしていた『いざな』の目的がはっきりとしました。
夢や目標を想い続ける事で、最高のメンバーが集います。
訪問看護・デイサービス・居宅支援事業所・総務、私には背中を支えてくれる
沢山のサポーターがこんなにも近くにいて、新たに素敵なメンバーが集える場所
となっている事に改めて感謝。
当日は、志知デイサービスの施設登録日でもあり、最高の日にスタートをきる事ができた。
子供たちや保護者の皆さんが、誘い合って、集える場所になる。
子供たちや親御さんたちに色んな体験をできる場所になる。
人生の新しいステージに誘(いざな)えるチームになる。
『あべいすと』が笑顔と愛の溢れる場所になる。