寂しい、退屈だ、帰りたい
退院したい、、、
そんな気持ちが極大だった昨日。
テレビを見るのも、家族と見ていたことを思い出したり、一分一秒をただ過ぎ去らせていくためだけの作業に思えて疎ましかった。
退院まであとどれくらいだろう、そんなおもいとともに、今の自分の状況が嫌になって、涙が溢れた。
病棟の師長さんに、ちょうどその思いをぶちまけることができた。帰りたい、大の大人が恥ずかしいですけど、寂しくて仕方がないんです。
“お薬が今の感じでよければ、良さそうですけどね。先生に伝えておきますね”
いやいやながらにお風呂に入りながら、いや、これではダメだと思い直した。
さみしいっていう思いに、飲み込まれそうになってる。前向きな言葉を自分にかけないと、また不安発作が起きて、それこそ退院が伸びてしまうぞ!と。
退院に向かって、1日1日、一分一秒がすぎていっている。退院に近づいていっている。そう思うようにしようと思った。
次の日の今日、朝、主治医の先生が来てくれた。珍しい。祝日で当直とはいっていたが、来てくれるとは。さすが師長さんの力・・・
“記録上、先月の中旬ぐらいまで不安発作が起きています。それ以降は順調に来ているようですが、1ヶ月は様子を見たいです。なので、最低でも18日まではいてもらわないと。波があるかも知れないので。”
とのことだった。
“なにか、急ぎの用事か何かあるんですか?”
と問われ、いや、ありません。ただただ寂しくて、帰りたいんです。
“さみしいって思いがあるうちは、悪くなる可能性があるのでダメですね。作業療法もしながら、時間を潰してみてください”
実は、うちの妻も精神疾患があって、3人の子供を1人で見ているんです。半人前の僕でも、何か力になれればなと思って…
“うつ病同士の方で、片方がしんどい状態にあると引っ張られて悪くなることがある。だから、奥さんにとっても、今は離れられていい機会かも知れませんよ。その間に、あなたもしっかり治しましょう”
持っているカードを全て出して退院を早めてもらえないかと言ったつもりが、全て玉砕してしまった。
ただ、18日という明確な日にちが出てきたことは、僕としてはありがたかった。
18日に退院、になるわけではないだろうけど、そこまでいい調子でいけば、退院できる。それが希望になったのか、昨日までの寂しさは少し去っていた。
妻も、“寂しいと思ったりすると思うけど、1人じゃないからね。いつでもロミジュリ面会に行くし、それこそ帰ってきたら寂しいなんて吹き飛ぶくらい子供達はうるさくてうるさくて、嫌になってもいるんですから。発作が出たとしても、入院中に出て良かったと思えばいいし、伸びたとしても保険金がその分入るぜくらいに前向きに思っていこうよ!“
といってくれる。
そんな、前むきな妻の存在が、すごくありがたかった。だからこそ、しっかり入院治療を満了して、帰ろう。そのために、一分一秒退院に向けて進んでるんだって。前向きに考えを切り替えようと思った。