決勝の朝に2020.01.13

 

君たちはきっと全力を尽くすだろう。

培ったものをすべて出しつくし魅力に惹かれ入学したときの’’自分との約束’’を果たそうとするだろう。

今のチカラは相手が上だ。

それは負けた時の言い訳ではなく本当だ。

そして、少し長く生きいろんな経験重ねた老人が言えることがある。

今日の勝ち負けそのものには、全国トップニュースで騒がれているほどの決定的な意味はない。

君たちの培った苦労と変化は今日までの5試合と3年間で見てきた。シズガクサッカーの魅力も十二分に見せてもらった。

大切なことは、

今勝ったことではなく、この三年をチカラに、十年後三十年後に、君たちが今はまだ想像できない“上には上がいる’’現実の中であきらめないで前に進み、高みを見据え勝負に挑んでいるかどうかだ。その中でオレたち程度ではない、素敵な人格を纏い、高める場所と崇高な師と知的な友を得ているかどうかだ。

さ、先を見据え、三年最後のシズガクサッカーの日を過ごそう。

コレはピッチに立つ者へだけでなく、もっと、このピッチに立たない、狂おしくもがき続けている“りょうが"はじめ三年を過ごした尊敬すべき君たちへのメッセージだ。そして多くのOBたちへのお便りだ。

一瞬の栄光の残像、その幻想から、新しいスタートラインを引けなくなった者たちをたくさん見てきた老人のメッセージだ(笑)

井田は言う。「花は桜木、人は武士」お前たち!散る時は潔く散れ!

 

(井田監督乗せてさいたまスタジアムに向かう車の中で)

 

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立志寮16年、最後の幹部ミーティング 2020.01.06 by 文田商店

 

考えてみろ。

今の静学サッカーが何で出来ているか。

今の成績が毎年毎年どうしてなしえているのか。

60歳代中盤になる若き井田監督の1期生から始まった1000数百人の若人のテクニックサッカーの鍛錬と挑戦と苦労の日々やそれを支えた数千人のご両親と家族の支え、

己の家庭さえ省みないで指導を続ける、井田監督とそれに連なるスタッフの献身と情熱の50年の日々。

また、切磋琢磨し続けたたくさんのライバル。

さらに、50年の中でSHIZUGAKUサッカーに魅せられ応援くださる日本全国に人々、少年サッカーチームや少年たち。元少年たち。

そして、時々に直面した困難ととどめる思惑も前進方向を探る反面教師となって今がある。

 

人はおろかに、それを忘れる。

その一員であるのに、その一端を担っただけで「おれが」「おれの」成果と思う心、愚かで賤しい精神を持っている。

そして、

ひとり「おれが」と思ったとき、その崩壊は始まっている。

世の賢人は言う。

栄光の時、すでにその崩壊と腐敗は蔓延し進行していると。

 

この話題の戦いの勝ち負けを唯一無二で崇高なものだと思うな。

勝ち負けだけにこだわる者に未来はない。

勝ち負けだけにこだわるチームには勝たないと困る事情がある。

誤解を恐れず言えば、

出し切って潔く散るほうがはるかに意味がある。

多くの人を魅了する静学サッカーは歴史を内包するその内容にのみに起因する。

そして今一つ、高校サッカーに勤しんだ者ののちの数十年の方がはるかに重くて、一番大切であり、

未来を閉じるだろうあいさつも相手を尊重する常識さえも知らないサッカー選手など育成年代のチームに存在させてはならない。学問をおろそかにする選手がいてよい筈がない。

かれらの未来を見つめ指導できない浅薄な知性の薄い大人、苦労を経験していない視界辺境な俗物は育成指導の場にはいてはいけない。

 

さあ、阿部をはじめ3年生。

勝とうとするな。与えられた場所でこの3年間のすべてを出すことに全力を捧げろ。