和歌山から来たのはなんでこんなに下手なんだぁ!
和歌山の先輩は元主将の京産大・金テギと富山に入団する桃山・中西倫也(笑)
努力家だったが、テクニックで相手の裏を取る静学っぽいDFにはならない。
そう、ワンタッチのコントロールの技術はそんなに簡単には身につかない。
さんざん「ユニフォーム変えたら静学とはわからないDF」と俺たちに言われ続けた。
そのプレーの遅さ、技術不足でボランチから追放された(笑)
応援ボードも「Mr.REACTION」という屈辱的なものに決まりかけていたが、
期待を込めて「凡事徹底」となった。
その意は、
なんでもないような当たり前のことを徹底的に行うこと。
当たり前のことを極めて他人の追随を許さないまで追及すること。
二流で通用も出来もしないことを行うより、
普通なことをつきつめ、チームの力になるまで己を追い込み身につけること。
なんだか運をもらい、公式戦の経験の中「チームのために貢献する。スキなく最後まで走り切る。ギリギリの場面で体張り、足で頭でシュートをブロックする」そんな加佐が今いる。
決して能力は高くはない、ヘッドもキックもタックルも一流とは言えない。
だが今の加佐はDFとしてチームのために一瞬も切らさず献身する。
その「凡事徹底」ではチーム随一の才能を発揮している。
県大会決勝。勝利の瞬間、半分の選手は泣いた。半分の選手は歓喜した。
だが加佐はゴール裏で相手の選手に押し倒されたまま、試合終了の笛を聞き、
そのまましばらく動かず、「ホッとした顔」で起き上がった。
そのホッとした顔に「いい選手になってきたな」とオレは確信したんだ。
一回のミスが許されない守備の選手は、
道を進めば
「100回中、五分五分のプレーは選択せず、当たり前のことを99回できるのでは満足せず、普通の事を100回確実にできる技術」を求めるようになるものだ。
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