ルクセンブルク音楽界を代表するアーティストたちが新しい大公を祝う準備を進める中、これまでの有名な王室コンサートを振り返る。

De Läb、Francis of Delirium、Laura Thorn、Nosi、Raftside など二十数組を超えるルクセンブルクの音楽アクトが、10月4日（土）にグラシスで行なわれる特別なコンサートで、新たな元首となるギヨームを迎える。

この祝典は、地元の音楽シーンにとって国際舞台で自らを披露する機会ともなり、多くの海外のジャーナリスト、写真家、テレビクルーが来場する予定だ。

過去にも、多くの国家元首が大きな出来事を、世界的音楽スターたちと共に祝ってきた。

＊米国スターのケイティ・ペリーは、2023年にウィンザー城で行なわれたチャールズ3世の戴冠記念コンサートに招かれた国際的ゲストの一人だった。© 写真提供：ゲッティイメージズ

スウェーデンのカール16世グスタフは、1973年に祖父グスタフ6世アドルフの死去に伴い新たな国王として即位した。

その3年後、大規模な祝典が行なわれた。スウェーデン国王が1972年ミュンヘン・オリンピックで出会ったドイツ系ブラジル人の通訳、シルヴィア・ソマルラートと結婚したのだ。結婚式は1976年6月19日に予定され、ベルギー王室夫妻やルクセンブルク大公夫妻も招待客に名を連ねていた。

祝典で最も華やかだったのは、新婦が身にまとったディオールの美しいドレス――結婚によって彼女は王妃となり、この式は戴冠式にも匹敵するものとなった――そして、2年前に「恋のウォータールー」で音楽ファンの心をつかんだスウェーデンのバンドのパフォーマンスだった。

アグネタ、ビヨルン、ベニー、アンニ＝フリードのABBAの4人は、結婚式前夜、ストックホルム王立歌劇場で「ダンシング・クイーン」を披露した。華やかなバロック風の衣装をまとい、この特別な場にふさわしい姿で臨んだ。

翌月に発売されたこのシングルは大ヒットとなり、ABBAは世界中のチャートを席巻。数百万枚を売り上げ、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、そしてもちろんスウェーデンで1位を獲得した。

＊2022年、バッキンガム宮殿前で女王のために共演するクイーン創設メンバーのブライアン・メイと米国歌手アダム・ランバート。© 写真提供：ゲッティイメージズ

残念ながら、2年前に行なわれたカール16世グスタフ即位50周年記念コンサートでは、ABBAの再結成はなかった。音楽を担ったのは、伝統に従いユーロビジョン・ソング・コンテストで2度優勝したロリーンを含む、他の優れたスウェーデンのアーティストたちだった。

イギリス王室は、華やかでありながら現代的なスタイルで祝うことができるということを、何度も見事に示してきた。

たとえば2022年6月には、女王の即位70周年を祝う「プラチナ・パーティ・アット・ザ・パレス」の一環として、音楽界のそうそうたる顔ぶれがロンドンに集結した。

演奏・歌唱・指揮を務めたのは、クイーン＋アダム・ランバート、クレイグ・デイヴィッド、アンドリュー・ロイド・ウェバーとリン＝マニュエル・ミランダ、ロッド・スチュワート、デュラン・デュラン、ハンス・ジマー、エルトン・ジョン、そしてダイアナ・ロスであった。

ABBA、ケイティ・ペリー、マイケル・ジャクソン――スターたちが王室の瞬間を彩ったとき