電子書籍で出版した「網走五郎・神社物語」、この本には人類を救う力がある。奥武山ボクシング会館が休みの日、最初から順次連載しています。今日の掲載は(35) 有名人が参拝する神社。

 

  (35) 有名人が参拝する神社

   沖縄県護国神社には日本初のノーベル賞受賞者 湯川秀樹や佐藤栄作・田中角栄・福田赳夫・三木武夫など歴代総理が次々拝に訪れている。

   最近は政教分離が騒がれて総理大臣の参拝は無くなったが、右翼の大物笹川良一は毎年のように訪れていた。笹川は五郎に言った。

「君のような若者がいるかぎり日本は安泰だ」

   河野邸焼き討ちや経団連襲撃で名を馳せた野村秋介も時々参拝に訪れた。野村はレコンキスタという新右翼の機関紙の中で五郎のことを次のように述べている。

「たんに北方領土へ泳いだという物理的問題ではなく、思想戦の一環として大いに有効であることを認めるべきなのだ」

野村は何度目かの参拝の時、五郎に言った。

「私も神主になって、静かな余生を送りたい」

しかし野村の夢は叶うことなく、数年後、朝日新聞本社役員応接室で、短銃自殺を計り人生の幕を下ろした。

   戦後二十九年間、フィリッピン・ルバング島で戦い続けた小野田寛郎も参拝に訪れている。 

  沖縄県護国神社は県内で最も有名人が参拝する神社である。

 

               写真は笹川良一と網走五郎