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【転載開始】

■高市トレードで日経平均5万円突破も・・・
 日銀利上げは“年内絶望”、円安・物価高に
 「出口なし」
 公開日:2025/10/29
 

ご祝儀相場(C)日刊ゲンダイ

 大台突破だ。
27日の日経平均株価の終値は、
前週末比1212円67銭高の5万512円32銭と
史上初めて5万円を超えた。
高市内閣の積極財政に期待する
「高市トレード」が株高を後押しするが、
浮かれている場合ではない。
このままでは円安・物価高に「出口なし」。
庶民の懐は寂しくなるばかりだ。

 公明党の連立離脱で終わったかに見えた
「高市トレード」は、内閣発足に伴う
“ご祝儀”も手伝って復活。
内閣支持率6~7割の好スタートを切った
ことで政治の安定性が確保されるとの見方
が広がり、投資家心理を上向かせた。

 一方、円相場は米中摩擦激化への懸念が
和らぎ、株価の押し上げでリスク選好の
円売りが先行。
1ドル=152円台後半~153円台前半を
ウロウロしている。
「責任ある積極財政」を掲げる高市政権の
下、円高に振れる気配はない。

 「29日と30日に日銀の金融政策決定会合
が予定されていますが、市場は利上げを
見送るとの見方が強い。積極財政派の高市
首相がにらみを利かせる中、利上げに踏み
切らないと見越して、円安・株高に動いて
いるのです。『利上げは早くても12月』
『来年1月にズレ込む』との見通しも出て
いますが、日銀の親玉である片山さつき
財務相は逆に円高容認の姿勢を見せていま
す。円安・ドル高の是正を求めるトランプ
米政権からの圧力も決して無視できない。
利上げ時期を巡り駆け引きが続く中、市場
が織り込む通り『10月利上げ』を先送りし
たら、日銀はますます後手に回ることにな
ります」(経済評論家・斎藤満氏)

 片山氏は今年3月、ロイター通信の取材に
「(1ドルは)120円台が実力との見方が
強い」との見解を示した。行き過ぎた円安
政策とは一線を画すようだが、最近は日銀
の金融政策について「今コメントしなけれ
ばならない状況にはない」と口をつぐんで
いる。

 足元では利上げ環境が整いつつある。
総務省が24日に発表した消費者物価指数
(CPI)は前年同月比2.9%上昇。
4カ月ぶりに伸びが拡大した。

■「1ドル=155円超も視野」

 ただ、2000年以降に実施された6回の
利上げのうち、10~12月期に利上げした
ケースはない。
ちょうど来年度の予算編成時期にあたる
からだ。

 「高市首相は『物価高対策が最優先』と
言っていますが、そうであれば、まずは
金融政策によって物価そのものを抑制する
ことが先決。いくら市場参加者が『高市
トレード』に沸いたところで、円安を助長
しては物価高は止まらず、株を持たない
庶民に恩恵はない。日銀が10月利上げを
見送れば、1ドル=155円超えも視野に入
ります。12月に後ろ倒しすれば、円安
進行をよしと思わない米国が黙っていな
いでしょうが、財政出動を軸にした経済
対策を打とうという時期に、すんなり
利上げできるのかどうか。日銀にその
覚悟があるとは思えません。裏を返せば、
利上げするなら今がラストチャンスです」
(斎藤満氏)

 高市首相のうたい文句は
「国民の不安を希望に変える」だが、
物入りの年末も円安・物価高を放置とは
庶民に絶望を与えるつもりなのか。

【転載終了】

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 安倍政権時と同じ状況がくり返される
だけですし、物価上昇も止まらないので
は。

 問題は、トランプがまた軍事費増強の
要求してくることでしょうかね。