こんにちは、薬剤師 横谷 華 です。
（毒舌注意）
大学の授業で取り扱われるほど
薬剤師あるあるなのですが、
『ステロイドは使いたくないんです』
『絶対にイヤなんです』
とおっしゃられる方がいらっしゃいます。
私もそのような患者様の対応をさせていただきました。
ある日幼い子供の薬をもらいにきたお母様、
目の周りに湿疹ができたということ。
まだアトピー性皮膚炎と確定したわけではないけど、
その可能性があるとのこと。
目の中に入ってもいい、弱いステロイドの薬が処方されていました。
「パパがステロイド嫌いで」
「絶対許してくれないんです」
と言います。
私は医師にその旨を伝えましたが、
処方は変わりません。
当然です。
イチバン適した処方で、替わりのものはありません。
医師と薬剤師の真っ当な判断です。
そうこの方まさに、
『アトピービジネスのカモになっている！！！』
アトピービシネスとは
高価なものを売りつけることを目的に、
不安を煽ります。
私自身もアトピーにとっても苦しんだ経験があるので、
「改善するなら、何でもいいから試したい」
「直したいからこそ情報取集をしている」
という気持ちがわからないわけではないのです。
アトピー性皮膚炎のほとんどの人は
小さい時に発症しても、
大人になるにつれ改善する方が多いです。
精神的にとても辛い病気ですが、
直接死に至ることはありません。
感染することもありません。
症状が良くなったり、
悪くなったりを繰り返します。
そこに付け込んできます。
例えば
- ステロイドを危険なものと不安をあおる
- 高額な化粧品や健康食品を売りつける
- 温泉療法で１００万円ほどとる
- 症状が出ると好転反応だという
とても苦しんでいて
全く知識のない人を相手に
救いの手のように
「この商品を購入すれば治りますよ」
と言うのです。
しかもステロイドを悪者にします。
今は他の治療薬もあるのにもかかわらず、ステロイドばかり。
そして医師を悪者にします。
そもそもその商品が本当に効果があるとしたならば、
日本中、いや世界中の皮膚科専門医が
その手法を取り入れます。
製薬会社だって製品化します。
一つの医薬品を作るのにかかるのは
- １０〜２０年ほどの期間
- ５００億円ほどの費用
- 成功率は約３万分の１
これを逆手に取り、悪徳業者は
「作るのに大変だから、大手の製薬会社は製品化していない。」
と言います。
いや、本当に効果があるのなら、
世界中にアトピー性皮膚炎の患者はたくさんいるので
製薬会社は利益になります。
そして、たしかにステロイドには副作用があります。
だから医師と薬剤師が適切な使用方法を指導しています。
副作用のない薬はありません。
なぜなら、研究されているから副作用が判明しているのです。
悪徳業者：「医薬品は副作用があって危険です」
「これはサプリメントだから、食品だから安全なのです」
医療従事者：「いやいや、調べてないだけでしょ！」
そして、そんな本当に困っている方達を見て
私はやっぱり本気で助けたいと思うのです。
先程のお母様には
私「今の症状にこのステロイドは適切です」
「ステロイドは、指示された通り、適切に使用すれば怖い薬ではありません」
「何もせず目の周りの湿疹が長期的に続くと、白内障や網膜剥離といった、失明につながることがあります」
と伝えました。
お母様「夫に隠れて使ってみます」
とおっしゃていただきました。
私たち薬剤師は、その幼い患者様に毎日薬を塗ってあげることはできません。
治すのは、患者様本人とそのご家族にしかできないのです。
奇跡とか根性とか
少ない事例にすがるのではなく、
正しく知識を持ち、
まっとうな治療方法を取り入れましょう。
○ヘルスケアに取り組みたい方
○何から始めていいかわからない方
○生活習慣改善を継続できない方
美容皮膚科門前での薬剤師経験からアドバイスさせていただきます。
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