アースルーリンドの騎士『二年目』 60 屋外での補習 その2 14 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

ギュンターっていつも他人と地で接するせいか

アイリスも外面忘れてるようですね…。

おとなしいぶりっ子取り払って

ギュンターにはきっちり真剣です(笑)




王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)

恋の矢「二年目」を最初から読む恋の矢
宝石ブルー『幼い頃』を最初から読む



が、弾いたせいか、向かい合うアイリスはぞっ…とする程の冷たい殺気を漂わす。
「(…もしかしてアイツを…本気にさせちまったのか?)」

カン!カンカン!
次々と旋風のように繰り出されるアイリスの剣先を、ギュンターは体を捻り全て剣当てて防ぐ。
が、どれ一つ取っても刺さっていたら重傷。
な程の、鋭い斬り込み。

剣を当て防ぎながらギュンターは心の冷や汗を必死で押しやった。
「(暗殺指南を受けてる。ってのは、虚言じゃないな!)」

がっっっ!
とうとう防戦でイラ立つギュンターは、剣思い切り振って力尽くでアイリスの剣を押し下げ、一気に剣持ち上げ振り切る。
ざっっっっ!
すかっ!
アイリスの胴を真っ二つにする筈の剣はすかしを喰らい、アイリスは下げた身を瞬時に突進させてギュンターの懐へ。
ギュンターは真っ直ぐ腹を突き刺し来るアイリスの剣先に、躊躇する。
避けても読み切られ、途中軌道変える剣は腹を掠る。

がっっ!
反射的に真っ直ぐ突いて来る剣先を、剣を振り切って薙ぎ払ってた。
がその瞬間、アイリスが艶然と笑い、弾かれた剣の握り放し、左手で柄を掴み込むのが目の隅に映る。
一瞬で今度は左手から剣が振り降ろされる。

ざっっっ!
今迄とは反対方向から急襲する剣を、ギュンターはがちっ!と剣で受け止めるが、直ぐアイリスは剣離し、下から突いて来る。

間合いに入られると突きで来るのか…!
ギュンターは一瞬で後ろに飛び退く。
ギュンターの引く様はアイリスを満足させたらしく、アイリスの微笑が冴える。

ギュンターはだが、その微笑みを見て心が冷えるのを感じた。
ここでかっか来て、腹立てたら最後。
隙を容赦無く叩かれる!

大した役者。
だがギュンターは戦う時、相手の態度に翻弄され操られるまま腹立てるとどうなるのか、知り尽くした男だったから表情変えぬまま、アイリスの剣を、身を低く構え待った。




つづく。