二人きりの会話。
うーん。
ギュンターは内心緊張してるみたいだけど
作者は面白がっていたりして(笑)

アースルーリンドについて。国の紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
「二年目」を最初から読む
『幼い頃』を最初から読むが、大公の瞳は痛みを映し出す。
「…けれど君は彼の母…妻であるデルアンネを、愛していないね?
決して幸福な結婚生活じゃ無い。
そうなんだろう…?」
ローランデはそう気遣う父を見上げ…が、返答できなかった。
大公はすっ…と視線を、部屋を出ず、戸口で佇む新たな中央護衛連隊長に就任した、ギュンターに向ける。
ギュンターは俯いて親子の会話を聞いていたが、大公の視線に気づき、顔上げる。
大公は息子に振り向き、優しく告げる。
「彼と少し…話したい。
二人きりで」
ローランデは戸惑い、ギュンターに視線を一瞬振るが、弾かれたように頷き、そっと歩を…ギュンターがもたれかかってる戸口に向ける。
ギュンターが背を離し、扉の前から横にどく。
ローランデはドアノブに手を掛け…その、青く澄んだ瞳で横に立つギュンターを一度、真っ直ぐ見た。
ギュンターは一瞬…見つめられて心臓が、止まりそうに感じた。
パタン…。
ローランデが姿を消し、扉が閉まる。
ギュンターは顔を上げ…それでも決然と、部屋の中央で待つ、北領地[シェンダー・ラーデン]大公の元へ、歩を運ぶ。
「…もう…流石に有名に、成ってきている。
新たな中央護衛連隊長の思い人が、私の息子だと」
ギュンターはその言葉に顔を弾かれたように揺らし、大公を見つめる。
だが大公はギュンターを見ないまま、言葉を放つ。
「…それは…今でもか?
ローランデが近衛の時代、私は幾度もディアヴォロス左将軍に連絡を取った。
彼は約束してくれた。
彼を護る。と。
戦場では無く…野戦のテントで」
ギュンターは項垂れきって、返す言葉無く俯く。
「…だが左将軍はこうも、言った。
けれど彼が心許している相手からだけは…彼の貞操は護れません。
と、そう。
それは君の事かと尋ねたら、左将軍は微笑んで頷いた。
私は…それでもいい。と思った。
彼が選んだのだから。
デルアンネより君を」
つづく。
今日も読んでくれてありがとう

