昨日アップ出来なかったので
今日は続けてアップ。
まあ…。威張ってる相手が惨めな境遇になったら
可愛そう…と思わず、ざまみろ!と人は普通
思っちゃいますよね。
しかし書いていくとラナーンって本当に
気の毒な境遇なので
作者としてもヤッケルに拍手です。
さすが兄弟姉妹が山盛りで
色んな性格のヤツと日常接してるから
思考も態度も柔軟ですね。
しかしそれにしてもローランデは忙しい…。
講師に頼りにされてるから…。
本人も自覚してる優等生です。




アースルーリンドについて。国の紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
「二年目」を最初から読む
次の剣の講義の移動の途中、やっぱりローランデは講師に呼ばれ、離れて行く。
ラナーンが彼の背を見てると、フィンスがそっと言った。
「講師はそれは…ローランデを頼りにしてるから、色々な雑務を彼がしてる」
ラナーンは講師の言葉に頷いてるローランデの、背をじっと見つめた。
その時同学年の数名が、通り過ぎ様フィンスと並ぶラナーンに陰口叩く。
「あれ!珍しいヤツが居る!」
「グーデンがもう口聞いてくれないから、欠席しても記録されるからだろう?」
「…グーデンに欠席誤魔化して貰って…何してたんだか!」
そして、嫌らしい顔をして、くすくすと笑い合う。
「もう誤魔化して貰えないんだ!」
「だからフィンスに乗り換えたのか?」
「違うだろ?ギュンターだ!」
「する事は、グーデンと一緒!」
そしてまた、馬鹿にした様な笑い声。
ラナーンは俯ききっていて、フィンスは気にするな。と言おうとした。
が声。
「お前ら、言いたい事はそれだけか?
もうグーデンから、ラナーンは抜けたんだ!
こっちに付いたんだから仲間だろう?」
ラナーンも、フィンスも声の主に振り向く。
「…だって!」
「ヤッケル、お前もあいつには散々…!」
「ラナーンに威張られてた癖に!
あいつの肩持つのか?!」
ラナーンは目を、見開いた。
『話を付けよう』
そう言ったヤッケルが、連中の前に立ち、庇ってくれているなんて…!
「…ああ散々腹立てたさ!
が文句は本人に堂々と言う!
お前らみたいにただあてこすり、侮辱するやり方はしない!」
「だって…!
あいつが散々、後ろ盾の無いヤツはちまちまやるしか無いとか…!」
「そうだ!
必死で腕磨いてもその程度か。惨めだな。とか」
「…いっつも俺達の事、馬鹿にしたんじゃないか!」
「だからって同じやり方したらあいつと同じじゃないか!
第一今のラナーンを見ろよ!
以前みたいに嫌な事言ってるか?
高飛車か?
…違うだろう?
弱ってるヤツをここぞと叩くなんて、グーデン以下だぞ!!!」
が、シェイルが慌てて言った。
「グーデン以下なんて無い!
あいつが最低なんだから!」
「そうだ!
お前の言い方が一番ひどい!」
「解った!
そこは訂正してやる!
グーデンと同じだ!」
いきなり、しん…。とするから、ラナーンが俯く顔を上げる。
『グーデンと同じ』と言われた子達はみんな、項垂れていた。
そして、顔を見合わせて合って、頷く。
そしてこちらに、歩いて来る。
「…ごめん」
「ごめんよ、ラナーン」
「悪かった」
皆、言いながら横通り過ぎる。
すごく、素っ気無かった。
けど…………謝ってくれた。
「…フィンスにも謝って!
フィンスは…守ってるだけなのに!」
シェイルが、去り行くその背に叫ぶ。
フィンスはいいよ。と止めようとした。
が通り過ぎた子達が一斉に振り向く。
「悪いフィンス」
「とばっちり喰らわせたな」
「いつも真面目なお前が、そのつまり…そんな色っぽい子と並んでるからつい…。
からかったんだ。
悪気は無い」
皆言って、これでいいだろ。とシェイルを見る。
シェイルはヤッケルを見る。
ヤッケルはシェイルに、肩竦めて見せた。
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
