アースルーリンドの騎士『二年目』 36 一触即発 21 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

ディングレーはデルアンダーら

親衛隊?に取り巻かれています。

彼らに崇拝されているのです…。

だからディングレーも地を抑えます。

この取り巻きが居るからこそディングレーは窮屈で

でも取り巻きが居るからこそ

教練生全員がディングレーを

「王族の男」と崇めるんですね。

ディングレー、内心大層複雑でしょう…。

今日は切れ目無く一気で長いです…。

途中切ろうとしたけど…ムリだった……………。


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 デルアンダーが、ディングレー居室の扉を開ける。
ギュンターが室内に入ると、ディングレーはそこに居た。

控えるように自分の横に立つデルアンダーに、ギュンターはこれだけの男が傅くだけの価値ある王族の男が、講義サボって迄付き合ってくれた事に項垂れた。

「…あんたまで、俺は講義サボらせたのか?」
デルアンダーは殊勝に俯くギュンターに視線振る。

ディングレーは罰悪げに俯くギュンターに言ってやる。
「サボってない。
途中で出ただけだ」
「どう違う」

「丸きり抜けた訳じゃない。
ちゃんと理由を述べて失礼してる」

が、言った後ディングレーは眉間寄せ横に俯き
「今そんな事議論してる場合か?」
と呟いた。

が、素晴らしく手の込んだ高級衣服付け、デルアンダー、テスアッソン共に傅くディングレーはいつもと違い大層立派に見えて、ギュンターはその男を途中だろうが講義を抜けさせた事に後ろめたさが募った。

が、ディングレーは面倒くさげに唸る。
「無事だったか」

「私達が駆けつけた時既に大半が床に転がっていました」
テスアッソンの報告に、ディングレーが一つ、頷く。

「…もうお前達もこの男が見かけ道理に見えないだろう?」

ギュンターが見ていると、そう問われてデルアンダーは顔下げ、その通りだと頷く。

テスアッソンが付け足す。
「しかもシャクナッセルが満足する程の男です」

殊勝に俯くテスアッソンに、ディングレーは聞いて知ってる。とばかり咳払いし、頷いた。
「ダテに校門に女性が押しかけてる訳じゃない」

が、デルアンダーが見ていると、ギュンターは顔下げた。
「…オーガスタスにも多すぎる。と釘指された」

ディングレーが、褒めてるのに殊勝にも項垂れるギュンターを目をまん丸にして見、テスアッソン迄そう言うギュンターへ、やはり目を丸くして振り向く。

「…だがシャクナッセルと寝たなら、グーデンはお前を何としても叩きのめす覚悟で次々に送り込んで来るぞ?」

が、ディングレーの言葉にデルアンダーが顔上げる。
「ですが、四年ダランドステは私が部屋に入った時既に一撃喰らってました」

ディングレーはデルアンダーを見て口を開こうとした。
がその時ノックの音がし、ディングレーは
「入れ!」と一声吠える。

ぞろぞろと…伸びたグーデン配下を運んでいただろう男達が入って来る。
一人の頬に目立つ痣見つけ、ディングレーが顎しゃくって尋ねる。
「どうした?」

「…油断しました。気絶してると…思ってた所にダランドステに一撃喰らい…その隙に、奴らは次々に逃げ出し……」

「…その前は?」
テスアッソンに聞かれ、一発も喰らってない者が顔上げる。
「勿論…三日は足腰立たないようにと、念入りに…」

「…ほぼ気絶してる奴を…殴ったのか?」
ギュンターが聞くと、その一人はきっ!とした表情で怒鳴った。
「…蹴ったんだ!」

デルアンダーが仲間を庇うようにギュンターに顔向ける。
「報復に来られると後々面倒だからな…!」

デルアンダーの言葉に、ギュンターは頷く。

ディングレーは、ギュンターの背後に隠れるように立っているシャクナッセルに、寄ると囁く。
「君がこちらに居る以上もう…奴らに君を返さない。
俺はそのつもりで居る」

が、シャクナッセルは顔上げて叫ぶ。
「けれど…貴方方が今度は唯では済まない!
今私が戻れば…」

「お前がひどい目に合う」
ギュンターが言おうと思った事をさらりと…デルアンダーにかっさらわれた。

シャクナッセルはデルアンダーの端正な顔見つめ、叫ぶ。
「でも…!私一人で済む!」

テスアッソンが叫ぶ。
「舐めるな!
我々は騎士として戦う気構えが常にある!
傷を負う事等、何でも無い!」

言い方は、偉そうだった。
が、その言葉にはシャクナッセルを、労る響き有り、ギュンターは俯く。

流石、ディングレーの配下。と。

「俺が…火ぶた切ってあんたらの講義サボらせた事は謝る」
ディングレーがギュンターの言葉に目見開いて呟く。
「…やけにそこに、こだわるな」

デルアンダーが俯き、ぼそりと告げた。
「私が…意見したので」

ディングレーはその生真面目な配下を目を見開いて見、やはり咳払いしたそうだったが我慢し、デルアンダーに小声で囁く。
「…ギュンターはサボりの常連だ」

だがギュンターは言った。
「俺だけサボるのは別に問題ないが…」
が、デルアンダーは断固として言い放った。
「問題は大ありだろう!
教練に在籍する一生徒として!」

ギュンターもディングレーも揃って、そう叫ぶデルアンダーを困ったように見る。

ギュンターはディングレーが、自分が理由でサボれた事を内心喜んでるな。と解ったから、何となくディングレーの苦労が解った。

が、デルアンダーはディングレーに顔を上げ、真っ直ぐ見つめ告げる。
「幸い我々は、貴方の口添えで授業を抜けてもいい加減な事をしてると講師に思われない…!
が彼は!
唯でさえ睨まれているのに………!」

と、きっ!とギュンターを見る。
ギュンターはついそっ…とディングレーに寄って尋ねた。
「俺がサボってると、講師は…俺に怒ってるのか?」
ディングレーはつい、その項垂れる美貌の男をまじっと見つめた。
「…お前くらい目立つ奴の姿がなけりゃ、一発でサボってるとバレてる。
そりゃ毎度、講師が俺達の前で居ないお前を罵ってても無理無いだろう?」

「…罵ってるのか?」
がこれにはデルアンダーもテスアッソンも、ほぼ同時に叫んだ。
「そうだ!」
「お前への不満を毎度聞かされるのは我々なんだぞ?」

ディングレーが見ると、ギュンターは明らかに項垂れきって呟く。
「今度から、講師に文句は俺に直接言えと、言っとく」
ディングレーは、そうしろ。と頷いた。





つづく。
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