アースルーリンドの騎士『二年目』 36 一触即発 20 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

さて。

これがきっかけで、グーデンからの襲撃は後を絶ちません。

ギュンターはずっと旅してたので

平穏な教練生活に刺激があって嬉しいみたいです。

でも作者としては基本、ギュンターの姿勢は大好きです。

相手を大切にするから、モテモテなんですね。

しかし、ローランデの『情事とは特別な相手とするもの』

と言う意識と著しいギャップがあるのも確か…。

デルアンダーはギュンター相手だとびしびし!

言うので格好いい。ディングレー護衛隊の、リーダーですもんね(笑)

テスアッソンはその内描きます…。

サブが似合いで、自分一人で率いるのは苦手みたい…。

その後描写が出ますが、綺麗な巻き毛の女顔です。


「アースルーリンドの騎士」
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王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)

恋の矢「二年目」を最初から読む恋の矢



 デルアンダーの背に続き、階段を降りる。
後ろにシャクナッセル。
その背後にテスアッソンが護り付く。
が、シャクナッセルは前歩くギュンターのシャツを握り、止める。

ギュンターが、振り向く。
シャクナッセルがその、情事の後の赤い唇開き尋ねる。
「言ったでしょう?
私がどういう人間か、解ると。
それで貴方はどう思うのです?
グーデンから、引き受けるだけの価値が私にあると…お思いですか?!」

その声が必死で、前歩くデルアンダーも足止めて振り向き、テスアッソンも歩を止めた。

ギュンターは目を見開き、たった数分前に抱き合ったシャクナッセルを見つめる。

「…あれで…返事が必要なのか?」
「だって…私は…貴方に奉仕出来なかった!
貴方がご自分でされたのは………」

ギュンターがその美貌でじっと見るので、シャクナッセルは途切れさせた言葉を続ける。
「………私に満足されなかったからでは………?」

その語尾は次第に…小さくなった。
ギュンターは一つ吐息吐くと、シャクナッセルを見つめる。
「お前は?良くなかったか?」
「………貴方はとても、お上手です」

シャクナッセルの言葉に、彼の後ろに居たテスアッソンは顔背け、ギュンターが振り向くとデルアンダーも、背けていた。

「………それでどうして…俺が満足してないと思うんだ?」

聞くと、シャクナッセルは泣きそうな表情をした。
「貴方が…ご満足で無いのなら…私はグーデンの元へ帰ります!」
「自分がいいと…マズいのか?」

「私は…!
貴方が…良くなければ私に価値は無いでしょう…?」

ギュンターはつい、かっ!と腹が立った。
「生憎俺は!
娼婦とだって二人の時間を共有した!
俺だけ良くてどこが楽しい?
お前と一緒に楽しみたくてしてる!
俺だけ満足してそれでいいなんて情事は!
俺はしたくない!
二人でする以上な!!!
グーデンとこの奴らと俺が同類なら!
俺のとこに逃げ込む意味なんて無いだろう!!!
お前は自分の価値はと聞くが!
なら逃げ込むだけの価値が俺にあるのか?!」

ギュンターに睨まれ…シャクナッセルはその両拳を口元に当て、見上げる。
「…ですから…!
貴方には大勢の方が取り合うだけの価値が、おありです!」

「俺が聞いてるのはそんな事じゃ無い!
俺にはお前の盾に成るだけの価値があるのかと聞いてる!」
「勿論…!」

シャクナッセルは叫び…そして呟く。
「勿論、お有りです!!!」

ギュンターはくるり…とシャクナッセルに背向け告げる。
「なら俺に護られてろ!」

言って前見ると、振り向き見つめていたデルアンダーが、呆れ顔で見る。

ギュンターはまた振り向くと付け足す。
「…お前護るのは、俺だけじゃないがな!」

デルアンダーはくるり…と自分に振り向くギュンターに背向け、唸る。
「が、矢面でグーデンに睨まれまくるのは間違いなく、俺じゃ無くお前だがな!」

「………………………」

ギュンターが沈黙すると、後ろでテスアッソンがくすくすくす…と、三年大貴族宿舎に上がるまで笑い続けた。





つづく。
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