アースルーリンドの騎士『二年目』 34 波乱の、日曜午後。 4 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

さて。

波乱の幕開けを予感させる最後…。

でもやっぱり波乱だと思います。

ローフィスの、厄日?


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王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)

恋の矢「二年目」を最初から読む恋の矢


 ギュンターは暫く、アスランが向かいにかけても考え事にふけっていた。

ディングレーが私室に引っ込んだので、アスランを部屋から呼び出したものの、つい気になり、この応接室と呼べる部屋のソファに腰かけていると部屋を出たアスランが座り、じっ…とこちらを伺っている。

「ハウリィの…事ですか?」
ギュンターが顎に手を当てたまま、顔をアスランに向ける。

美貌の上級生に見つめられ、アスランは俯くと言葉を続けた。
「ハウリィはその…今迄、行為は嫌悪しか無くて…この後誰とも愛しあえない。
そう…悲しんでいたから、現在(いま)とても幸せなんです」

ほーーーーっ。
ギュンターの深い吐息に、アスランもつい、俯く。
「でも…その、ハウリィは凄く…ローフィス様の事が好きだから…それでディングレー様がご心配なのかも」

ギュンターは顔を上げて、俯くアスランを、見る。
だがその時、ギュンターにも解った。
ハウリィは今“在る”事を、純粋に喜んでいる。
それまで“無かった”もので、この先も無いであろう筈のものだったから。

それが…思いもかけず“在る”状態が嬉しくて…ただ嬉しくて、その感謝をローフィスに捧げている。

それはとても深い感謝で、それを深い愛情とも、呼べる物でだから…ディングレーが懸念してるのだ。
そう思いついた時、ギュンターは自分でも気づかず、再び深い、ため息を吐き出した。

だがその吐息の最後が途切れるほんの僅か前、扉が開いた。
ギュンターは思わず顔を上げ、その人物の名を呼んだ。
「…シェイル!」





つづく。
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