オーガスタスって、結構人をからかったりするから。
ギュンターはいつも本人はマジなんだけど
どういう訳か、笑いを誘うんだよね………。
まあ、ローランデさんとそうなってからは、天然のローランデに
顔とは違い、ストレート話法のギュンター。
と、この二人の価値観のギャップに爆笑だし。

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「…ここじゃあんたに辿り着くのに、試練を抜けないと駄目なのか?!」
駆けつけて来たギュンターのぼやきに、オーガスタスは微笑った。
「…まあ、そうだ。
気晴らしに成ったか?」
「普段は監督生やってるし、夕べは女と寝てるし、当分気晴らしは必要無いぜ!」
ギュンターに歯を剥かれ、オーガスタスは肩竦める。
それを目にした途端、ギュンターは殊勝に俯く。
「…いやその…あんたには、感謝してる」
ローフィスも友もリーラスも、シェイルやローランデさえ、礼を告げるギュンターに、ぎよっ!と視線を釘付けた。
オーガスタスは顔色も変えず腕組みしたまま尋ねる。
「何に感謝されてるのか、見当付かない」
ギュンターが顔を、上げる。
「女に押しかけられて…その、色々世話に成ってる」
皆がオーガスタスを見ると、オーガスタスは吐息吐いた。
「まぁ、俺は年上だしな」
「俺の兄貴達も年上だが…絶対講師に呼び出された時点で“何やってんだ!”とぼこぼこに殴られ、“最後迄ちゃんと自分で責任取れ!”と怒鳴られるだけで、付き添って講師の部屋や宿屋迄絶対来てくれないばかりか、寝過ごしたりしたら“何贅沢してんだ!”と叩き起こされてた」
皆がギュンターの兄弟のやり用に呆れたが、オーガスタスだけはくすくすと微笑った。
「…それで、俺が有り難がられてるのか」
ギュンターは微笑う御大に、喰ってかかる。
「微笑い事じゃないぞ!奴ら、マジだからな!」
皆がもっと微笑いの大きくなる、オーガスタスに呆れた視線を送った。
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
