最高で何分悩み続けたか。
…きっと、一時間は必ず、下回ると思う…。
でも、ディングレーもゼイブンも同様だから
きっとこの学年生は、長時間悩み続けられない人間
ばっかなんだろうな………。

アースルーリンドについて。国の紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)ギュンターはまだ煮え切らず、言い返す言葉を頭の中で探しながら一年大貴族のその美少年を、睨んではいたが、突然ふ…と気づく。
ディングレーがもう突っかかる気力を一気に全部失くしたのか、その美少年からだけで無く自分からも、顔を背けていた。
ので、ディングレーに聞いた。
「…もう、いいのか?」
聞かれてディングレーは、ギュンターから視線背けたまま、が顔だけは寄せて、耳元でそっと囁く。
「どのみち何言ってもあいつが口を挟み、最悪の状態に突き落とすに決まってる」
「いいんだな?」
ギュンターに聞かれ、ディングレーは仕方なしに頷いた。
ギュンターは、アイリスを見た。
言い様には腹が立つものの、しつこくつっかかってたディングレーを、収めてくれたのも確か。
ある意味、助っ人してくれたとも、言えなくもない。
感謝するべきか。
が、奴の言様に、未だ立った腹の虫が、収まらないのも確か。
ギュンターは珍しく、思案した。
大抵の事には柔軟に対応し、助っ人には感謝の言葉を惜しまぬ彼だったが、アイリスにどうしても素直に
『ありがとう』といえない自分と、暫くの間葛藤した。
五分以上思い悩む事の無いギュンターにしてはそれは、かなり長い葛藤だった。
結果、長く悩み続ける事が苦手なギュンターは、ローフィスの意見を仰ぐ迄この件は保留にしよう。と決め、心の平安を保った。
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
