ギュンター。と言う事で。

アースルーリンドについて。国の紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)そしてついに…ミシュラン自身が講師らに呼び出され、言い渡されたのだった。
監督生を降りるよう。
代理で呼び出されたギュンターは、ミシュランが講師らの部屋から、苦虫噛み潰したような表情で、出て来るのにすれ違った。
ミシュランは講師の部屋に入って行くギュンターを、通り過ぎ様ジロリ…!と見た。
ギュンターはそれを見て、嫌な予感に包まれた。
部屋に入るとミシュランに入れ代わり、三人の講師らに囲まれた中央の椅子に、促されるまま腰かけた。
そして切り出される。
「監督下の生徒二人が怪我する事態が起き、そのグループの監督生に、たった今辞退して貰った所だ。
…つまり、一人欠員が出る」
ギュンターは覗き込む、三人の講師の、表情を読み取り言った。
「…俺に代わりに、しろ。と?」
一人の講師が言った。
「監督生に選ばれ、断る奴は普通居ない。
万一お前が断ったとしても、お前の代理は考えてない」
ギュンターは、ため息吐いた。
「…それ、絶対断るな。と言う脅迫に聞こえるぜ」
「それに近いな。
安心しろ。お前がやってみて、駄目ならその時は、次の候補を考えてやる」
ギュンターはやれやれ。と肩を揺らす。
横のまだ若い講師は言った。
「前の奴が滅茶苦茶なやり方をし、生徒は萎縮しきってる。
ある意味、そう言う生徒を教えるのは、講師でもテクが要る」
もう一人が頷き、後を引き継ぐ。
「…だから万一お前がコケても、罪じゃない。
だがお前は意外に、傷ついた相手に対し、態度が柔らかいと。
情報が入ったんで、他を差し置いて新参者のお前に白羽の矢が当たった」
「…この場合他を差し置いて選ばれても、あんまり嬉しくないな。
講義がある間は下級生の、面倒見だろう?結局」
「そうだ。
さっさとやめたいなら、無能を晒せ。
但し、生徒は萎縮させるな」
ギュンターは、黙って頷いた。
選択権が丸で、無かったので。
だが思い返し呟く。
「傷ついた者に、意外と態度が柔らかい?
どっからの情報なんだ?」
三人の講師は互いの顔を見回し、そしてギュンターに、にっこり笑って言った。
「極秘情報だ」
『そうだろうよ』
フテきって言いたかったが、ギュンターはその言葉を飲み込み、無言で笑う三人の講師を眺め、その部屋を後にした。
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
