アースルーリンドの騎士『二年目』28 それぞれの週末 29 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

普段無口…ぢゃなく、あんまりしゃべらない奴に

語らせると、流石にたくさん出てきますね。

今日は本当は『幼い頃』だったけど


間に合わずこっちを更新しました。


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王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)



………甘え方を、知らなかった。
母はグーデンは大切にし、俺には素っ気無かったし、父と別居し自宅に居なかった。

父は…俺に剣を持たせ言った。
男の誇りをお前なら…護れるな?

強くなれ。
今の「左の王家」は違っている。
が『王家』とは本来、『最も強い』を意味する。

…だから…。
『王家』と仰ぎ見られる以上、それに見合うだけ強くなれ。

父は好きだったが、決して甘えられる相手じゃなかった…。
いつも忙しく、城を開けていた。

執事と乳母は面倒を見て、くれはしたが…グーデンはいつも彼らを
『下僕』と見下していた…。

執事も乳母も『その通りですから』
…そう言い、腹を立てる必要はない。と俺を諌めた。

けれど…ローフィスを見下された時、あんまりグーデンに腹が立ち…そしれで、はっきりと解った。
人間的に優れているのはローフィスで、本当に勇敢で強いのはローフィス…。
俺が人間として見習いたいのは実の兄貴、グーデンなんかじゃなく、ローフィスの方なんだと。

以前から、グーデンのやり用には頭に来ていたが多分…ローフィスの存在が、決定的だったろう…。

血の繋がりなんて、何の意味も無い。
他人の…ローフィスの為なら俺は実の兄貴にも腹を立てられるし、どれだけだって必死に成れる。

誰が本当の兄貴かと聞かれたら…俺は迷ったりせず、ローフィスの名を出す。
なぜって…ローフィスは、いい顔だけしてる連中とは違い、俺が間違った時、はっきりそう、言うからだ。

馬鹿にせず…見下したりせず。
俺が間違った時、腕を掴み止める、その手の平の温もりは温かい。

本当の愛情を注いてくれるから、いい時は言葉は悪いが褒め…そして悪い時は一旦行為を止め、はっきり言う。

それを俺がする。と言う事は、どういう事かを。
その後に掴み止める手を放し、俺に選ばせる。

…どうしたいかはお前が決めろ!
そう言って。

でもそんな頃は大抵俺は、ローフィスの言わんとする事が解り、自分がグーデンのような、馬鹿をしたと知る。

ずっと…理由もなく王族だと言う理由で、尊敬されるべきだ!と…思い込んで来た。
尊敬されないと、馬鹿にされてるとも。

がローフィスはそんなまやかしでは結果、真実の敬意を受けられないと、教え続けてくれた。


何度馬鹿をした事か。
物を…世間を知らずに。

だから毎度馬鹿なマネを止めてくれるローフィスに、項垂れて言う。
『馬鹿だと、幾ら罵ってもいいから…見捨てないでくれ』

けどローフィスは、プイ!と顔を背け言う。
『残念な事に、俺は馬鹿を放って置ける程人間が出来てない』

多分その言葉が嬉しくて、全開で微笑い、腹を立てたローフィスに頭を叩かれた。

「ずっと残念で居てくれ!」
そう言った時、シェイルが
「いつ迄甘える気なんだ?!
ローフィスは、直ぐあんたを甘やかす!」

…それを、聞いた時も嬉しかった。
俺でも甘えられる。
甘え方を、知らないと思ってたのに。

そして、甘えさせてくれる相手も居る。







つづく。
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