正直、笑えますが、彼は真剣です。
しかし、ディングレーといいローランデといい…。
身分の高い人。っていうのは常人と置かれている状況が
違うだけに…。
時に常識から逸していて、お世話しないと場面が
都度都度あります…。
どっちも中身は、突き抜けて素直なのは
育ちのせいでしょうか。
ただの天然馬鹿か。
…迷うところです。

アースルーリンドについて。国の紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)シェイルが目を開け毛布を上げると、椅子にはローフィスがまだ、座っていてペンを、走らせていた。
ソファから身を起こすと、一緒に毛布を被っていたヤッケルが
『うーん』と唸り、シェイルの手から毛布を奪い返してソファに顔を埋め、再び眠りについた。
その向こうの長椅子には、フィンスがやっぱり毛布を被り、眠りこけている。
そっ…と、椅子の後ろに立つ。
すると、椅子に座るローランデが振り向く。
笑顔で。
だからシェイルは小声で囁く。
「…寝てないの?
ローフィス同様?」
ローランデは明るい声で寝ている者を気遣うように、声をひそめ囁き返す。
「慣れてるし…一晩くらい寝なくても平気だ。
それに…」
ローランデに振り向かれ、ローフィスも顔を上げる。
「俺が寝たら寝るつもりだ。そう言って、お互い今に至ってるな」
シェイルはそう言ったローフィスを見た後、慌ててローランデに振り向いて小声で叫ぶ。
「ローフィスはああ見えても凄く、タフなのに!
寝るの、待ってるなんて絶対駄目だ!」
ローランデがくすくす笑う。
「でも向かいでペンの音がすると、眠くないんだ」
ローフィスも肩を竦める。
「そうだな。不思議と眠く成らない」
その時扉が開き、こんこん。と叩く音。
シェイルが振り向くと、半開きの扉の向こうに、ディングレーが身を潜めてこちらを見ている。
シェイルと目が合うと、首を縦に振る。
それでシェイルが扉に近寄ると、ディングレーは扉の後ろに隠れたまま、そっと告げる。
「ローフィスをここに、呼び出してくれ」
が、ローフィスが椅子にかけたまま怒鳴る。
「何今更遠慮してる!
入って来りゃいいだろう?!」
が、ディングレーはシェイルに囁く。
「非常事態で、中では話せないとローフィスに言え」
シェイルがローフィスに振り向くと、ローフィスは吐息混じりに椅子を立ち、通りがけにローランデに告げた。
「いいから先に、フィンスを突き飛ばして場所を空け、寝てろ」
途端、フィンスは寝ぼけ眼ながら聞こえたのか、慌てて身を起こそうと手をソファの端に付き、損なって床に頭からつんのめった。
ガタガタガタッ!
ローフィスの足の真横に転がり、ローフィスはそれを見た後ローランデに
「起こす手間が、省けたな」
そう呟いて、未だ扉の影で隠れてる、ディングレーの元へと足を運ぶ。
ローランデは椅子から立つと、上半身だけ床に転がり、足は未だソファの上の、フィンスの腕を支え、助け起こした。
それを見ながらローフィスは扉に寄ると、扉越しにディングレーに囁く。
「犠牲者出して、満足か」
「出したのはあんたじゃないか。
それより、ここじゃまずい」
ローフィスは扉の影で俯くディングレーに一つ、吐息吐くと扉を開けてディングレーと共に自室を後にした。
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
