今日は長め…。
しかし、入った人間とも話すなんて、だれだけ複雑?
って思いはしますが、タナデルンタスってば、稀代の呪術師なので
出来るんでしょうね。
ディンダーデンもアイリスに急かされて散々、タナデルンタスから呪文を
引き出してるんだし。
でも絶対、タナデルンタスとディンダーデンは似てると思う。
俺様流石。
ってどっちも思ってそう。

登場人物紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)ふ…と気づく。
自分やスフォルツァ、ラフォーレンが切る敵は、地に伏してもまだ、蠢いている。
自分の中の、タナデルンタスがその身を乗っ取られ、むっつりと背を向け呟く。
“あの男は、呪文を剣にかけている”
“どうやる?”
自分からの質問に、タナデルンタスはくっ!と笑った。
“あの男は呼吸するように呪文が使える。
弱い『影』等、敵ではない。人間で、ありながらな”
“…俺では無理だと?”
タナデルンタスは耳元で、囁くように告げる。
“毎日呪文を当たり前に使う。
お前はそれをして来たか?”
ディンダーデンはうんざりして言った。
“つまり、お前なら使える。と?”
タナデルンタスはくくくっ。と笑った。
“それに、お前達を閉じ込めてる主(ぬし)の事も知ってる。
「夢の傀儡王」だろう?
今の敵も解るぞ?
死体を操る「傀儡(くぐつ)の凶王」だ”
“で?解ると良い事でもあるのか?”
“敵が分かれば手も、打てる”
ディンダーデンはまた、虚ろな赤い目の、死体を切り裂く。
ローランデは狂凶大猿(エンドス)に向い行き、背後のギュンターの懸念を余所に、そのデカい化物の腹を切り、その両腕も斬り飛ばし余裕で倒れる化物から身を、翻していた。
『剣を握るローランデに、心配が要るか!
それより…』
ギュンターの、顔色が悪い。
ひどく消耗してる様子に見える。
止血してもまだ、布に新しい血が滲み出る。
血が止まらない。
自分が叫ぶより、ローランデが先だった。
うんと先で化物を切り裂いて回ってる筈なのに、視線は自分の背後の、ギュンターを捉えてる。
『“里”の癒し手!
ギュンターの血が、止まらない!』
ローランデの叫びが頭の中に響き渡り、ディンダーデンは頭の中で叫ぶのを、止めた。
が、別の場所から…どうやらディアヴォロスと同時に現れた、金髪のエライ美形の騎士の、声のようだった。
『こちらのディングレー殿も止まってない!』
つい、ディンダーデンはオーガスタスに振り向く。
周囲は広い空間が出来ていたが、時折伏した死体がその腕を伸ばすのを、呪文を唱えながら剣で突き刺し、元の動かぬ骸へと、戻していた。
がその背。
彼が、身を横に振る度、腰へと血が、滴り伝い、迸(ほとばし)るのを目にする。
ディンダーデンはつい、心の中で怒鳴った。
“この死体を操る『影』を!
何とか出来るんだろう?!”
が、タナデルンタスは暫し沈黙の後、言った。
“奴らの背後に能力(ちから)を増幅してるバケモノが居るが…こいつか最悪に、厄介だ”
つい、怒鳴りつける。
“…だ、ろうが死体を操る化物を先に殺ればいいだろう?!”
タナデルンタスは、解らぬ馬鹿に言うように、その言葉に侮蔑を込める。
“操る化物を殺そうとすると、厄介なヤツが出て来る。
そう言ったんだ!
そいつが付いてる限り、そうそう簡単に殺れるか!!!”
“じゃその厄介者を殺るのが先だな?”
タナデルンタスはディンダーデンのその不敵な答えに首を竦める。
“だからそいつは『影』最大の大物で、滅多な事じゃ殺れない。
人間にはまず、不可能。
私だとてだ。
…幸い『光の民』がこの戦場に居る。
連中なら殺れるだろう”
“…他人任せか”
タナデルンタスが、その言葉を聞いて冷たく言った。
“命が惜しいだけで無く、長い痛み苦しみ無いまっとうな死に方が出来て御の字。な目に合いたくなきゃ、『光の民』に任せるんだな”
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
