アースルーリンド 『過去の幻影の大戦』 21 前進 7 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

切れ目が無いので

今日は長め…。

しかし、入った人間とも話すなんて、だれだけ複雑?

って思いはしますが、タナデルンタスってば、稀代の呪術師なので

出来るんでしょうね。

ディンダーデンもアイリスに急かされて散々、タナデルンタスから呪文を

引き出してるんだし。

でも絶対、タナデルンタスとディンダーデンは似てると思う。

俺様流石。

ってどっちも思ってそう。


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王冠2 登場人物紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)



ふ…と気づく。
自分やスフォルツァ、ラフォーレンが切る敵は、地に伏してもまだ、蠢いている。

自分の中の、タナデルンタスがその身を乗っ取られ、むっつりと背を向け呟く。

“あの男は、呪文を剣にかけている”
“どうやる?”

自分からの質問に、タナデルンタスはくっ!と笑った。
“あの男は呼吸するように呪文が使える。
弱い『影』等、敵ではない。人間で、ありながらな”

“…俺では無理だと?”
タナデルンタスは耳元で、囁くように告げる。
“毎日呪文を当たり前に使う。
お前はそれをして来たか?”

ディンダーデンはうんざりして言った。
“つまり、お前なら使える。と?”
タナデルンタスはくくくっ。と笑った。
“それに、お前達を閉じ込めてる主(ぬし)の事も知ってる。
「夢の傀儡王」だろう?
今の敵も解るぞ?
死体を操る「傀儡(くぐつ)の凶王」だ”

“で?解ると良い事でもあるのか?”
“敵が分かれば手も、打てる”

ディンダーデンはまた、虚ろな赤い目の、死体を切り裂く。
ローランデは狂凶大猿(エンドス)に向い行き、背後のギュンターの懸念を余所に、そのデカい化物の腹を切り、その両腕も斬り飛ばし余裕で倒れる化物から身を、翻していた。

『剣を握るローランデに、心配が要るか!
それより…』
ギュンターの、顔色が悪い。
ひどく消耗してる様子に見える。

止血してもまだ、布に新しい血が滲み出る。
血が止まらない。
自分が叫ぶより、ローランデが先だった。

うんと先で化物を切り裂いて回ってる筈なのに、視線は自分の背後の、ギュンターを捉えてる。

『“里”の癒し手!
ギュンターの血が、止まらない!』

ローランデの叫びが頭の中に響き渡り、ディンダーデンは頭の中で叫ぶのを、止めた。
が、別の場所から…どうやらディアヴォロスと同時に現れた、金髪のエライ美形の騎士の、声のようだった。

『こちらのディングレー殿も止まってない!』

つい、ディンダーデンはオーガスタスに振り向く。

周囲は広い空間が出来ていたが、時折伏した死体がその腕を伸ばすのを、呪文を唱えながら剣で突き刺し、元の動かぬ骸へと、戻していた。

がその背。
彼が、身を横に振る度、腰へと血が、滴り伝い、迸(ほとばし)るのを目にする。

ディンダーデンはつい、心の中で怒鳴った。
“この死体を操る『影』を!
何とか出来るんだろう?!”

が、タナデルンタスは暫し沈黙の後、言った。
“奴らの背後に能力(ちから)を増幅してるバケモノが居るが…こいつか最悪に、厄介だ”

つい、怒鳴りつける。
“…だ、ろうが死体を操る化物を先に殺ればいいだろう?!”

タナデルンタスは、解らぬ馬鹿に言うように、その言葉に侮蔑を込める。
“操る化物を殺そうとすると、厄介なヤツが出て来る。
そう言ったんだ!
そいつが付いてる限り、そうそう簡単に殺れるか!!!”

“じゃその厄介者を殺るのが先だな?”

タナデルンタスはディンダーデンのその不敵な答えに首を竦める。
“だからそいつは『影』最大の大物で、滅多な事じゃ殺れない。
人間にはまず、不可能。
私だとてだ。

…幸い『光の民』がこの戦場に居る。
連中なら殺れるだろう”
“…他人任せか”

タナデルンタスが、その言葉を聞いて冷たく言った。
“命が惜しいだけで無く、長い痛み苦しみ無いまっとうな死に方が出来て御の字。な目に合いたくなきゃ、『光の民』に任せるんだな”






つづく。
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