ちょっとのんびりしすぎ…。
ディンダーデンから見た、ディアヴォロスです。

登場人物紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)…そうするつもりは、無かった。
がつい…ディンダーデンは敵の気配に剣を振りながらも、オーガスタスの前で剣を振り行くディアヴォロスに見惚れる。
黒の細かな長い巻き毛が散る。
この時代特有の衣装で手足の素肌を晒し、皮の編み込みサンダルで走り回る珍しいその姿に、視線が吸い付く。
一瞬の無駄無く、彼が剣を、上げたと思った瞬間敵は仰け反り、ディアヴォロスはとっくに剣を振り終わり下げていて、振っている間の軌道すら、視界で捉えられない程早い。
そしてもう、次の敵目掛け歩を、進めている。
一、ニ、三。
一で剣を横に、ニでもう敵の横を通り過ぎ敵は仰け反っていて、三でもう別の敵へと走り出していた。
ほんの僅かな間でもう、狂凶大猿(エンドス)を入れた五体を切り裂き、余裕で進んで来る敵を迎え討つ。
剣を握る手にじっとり汗が、滲む。
一度あの男があんまり剣を振るのが早いから、こっそり立てかけてあった剣を、手に取ってみた。
軽いんだろう。と言う期待を裏切り、ずしりと腕が沈み、自分の持つ剣と変わりないと知る。
が、幾度剣を、振った所で自分の剣の軌道はちゃんと、視界に捉えられた………。
近衛を遡り、つい教練時代を思い浮かべる。
同学年。
が、デカい自分より更にあの男は長身。
教練では身分高い大貴族の自分だが、あの男は雲の上の王族。
男ぶりを取って見ても、あの気品溢れる男の、迫力を内に秘めた静かな佇まいの前では、自分は丸で下品な野盗同然。
いつの間にか比べる事を、止めていた。
あれは人間(ひと)では無いのだと。
そんな風に自分を、慰めていた。
が今、ワーキュラスの守護無い彼は、いつもの仄かな人外の纏う“気”から解かれ、間違いなく…一人の人間に、見えた。
敵を切り裂き進みながら、時折背後のオーガスタスに振り向き、そして…庇うように、歩を下げる。
横からオーガスタス目掛け突っ込む死体の目前でもう、剣を振りきっていた。
死体は斜めに切り裂かれ、地に伏す。
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
